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DONAVON FRANKENREITER

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原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO


本格的な夏の到来を感じさせる一夜がやってきました。カリスマ的支持を誇るオーガニック・サーフカルチャー系アーティスト、ドノヴァン・フランケンレイターのライヴです。

カリフォルニア州生まれ、現在はハワイ在住。13歳からプロサーファーとなり、2004年にジャック・ジョンソンが運営するレーベル"ブラッシュファイアー・レコーズ"からファースト・アルバム『Donavon Frankenreiter』をリリースしました。朝霧JAMやFUJI ROCK FESに出演したこともありますが、ブルーノート東京への登場は今回が初めてです。共演メンバーはマット・グランディ(ギター、ベース、ハーモニカ)とジャロルド・ハリス(ドラムス)。マットはドノヴァンの7歳下で、"モ・アンド・ザ・フロウ"などのバンドで活動するブルース・シンガー/ハーモニカ奏者モ・グランディの息子にあたります。

ステージには左からマット、ジャロルド、ドノヴァンの順に並びます。最初は2アコースティック・ギター+ドラムスという組み合わせ。「Wondering Where The Lions Are」からドノヴァンとマットが息の合ったハーモニーを聴かせ、ブルース・フィーリング満載の「Start Livin'」ではジャロルドが絶妙なブラッシュ・ワークでふたりのギタリストをサポートします。キーボードもベースもいないシンプルそのものの楽器編成なのに、そのサウンドは濃密で、豊かな広がりを持っています。

ギターのチューニングを変えて演じられた抒情的な「Butterfly」のあと、ドノヴァンはエレクトリック・ギターに、マットはエレクトリック・ギターとエレクトリック・ベースのダブルネックに持ち替えます。といってもマットは曲ごとにそれを弾き分けるのではなく、まずベース・ラインを弾いてそれをループさせつつ、次にギターでメロディやコードを弾き、さらにループを使わない箇所では瞬時にベースに両手を移動させるという、非常に細かいテクニックを用いていました。しかも曲によっては、モ・グランディ譲りの骨太なハーモニカを聴かせてくれるのです。エレクトリック・セットの1曲目は、ドノヴァンの出世作といえる「Free」。「Move By Yourself」では、ローリング・ストーンズ「Miss You」風のベース・ラインにのって、ドノヴァンとマットが、火の出るようなギターの応酬を聴かせてくれました。そしてオーラスは、これも"待ってました!"の「It Don't Matter」。観客との合唱パートも挿入しながらの、熱のこもったパフォーマンスが圧巻です。終演後、スタンディング・オベイションが巻き起こったのはいうまでもありません。

サーフ・ミュージックのファンに限らず、ルーツ・ロックやソウル・ミュージックを愛するファンにもぜひお勧めしたいステージです。公演は6日まで続きます。
(原田 2017 7.5)

Photo by Tsuneo Koga

SET LIST

2017 7.4 TUE.
1st & 2nd
1. WONDERING WHERE THE LIONS ARE
2. START LIVIN’
3. HEADING HOME
4. BUTTERFLY
5. FREE
6. LIFE, LOVE & LAUGHTER
7. WHAT’CHA KNOW ABOUT
8. BIG WAVE
9. MOVE BY YOURSELF
10. YOUR HEART
11. THE WAY IT IS
12. CALL ME PAPA
13. THAT’S TOO BAD (BYRON JAM)
EC1. SWING ON DOWN
EC2. IT DON’T MATTER

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