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EDDIE PALMIERI SALSA ORCHESTRA "80th Birthday Celebration"

artist EDDIE PALMIERI , NICKY MARRERO

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原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO


マーカス・ミラーのゲスト参加、伝説のプロジェクト"ハーレム・リヴァー・ドライヴ"の生存メンバーによる再会セッションなど、話題性満点のニュー・アルバム『サビドュリア』をリリースしたばかりのエディ・パルミエリ。その彼が、絶好のタイミングで"サルサ・オーケストラ"を率いて来日してくれました。しかも今回は、満80歳を記念するアニヴァーサリー公演でもあります。

まずエディが一人で登場、近年の彼のトレードマークと言えるコンパクト・グランド・ピアノから、最新作にも入っていた「Life」を届けます。亡くなった奥さんに捧げた抒情的なバラードですが、フレーズの合間に入る掛け声は、まるで自らを鼓舞しているように雄々しく響きました。曲が終わると他のメンバーが合流し、怒涛のパフォーマンスへと突入します。エルマン・オリベーラ(ヴォーカル)は相変わらず男の色気をムンムンと漂わせ、その向かって左側ではネルソン・ゴンサレスが抜群のコーラスとパワフルなトレス(ギターを小型にしたような複弦楽器)を聴かせます。彼はファニア・オールスターズ、ティピカ73、ラリー・ハーロウ率いるオーケストラ・ハーロウ等での演奏歴があり、'79年にキューバで行なわれた歴史的イベント"ハバナ・ジャム"では、ファニア・オールスターズの一員として、ウェザー・リポートやビリー・ジョエルとステージを分けあいました。彼目当てでこのライヴを訪れたファンも、相当数いるのでないでしょうか。そしてエルマンの向かって右どなりではジョセフ・ゴンサレスがマラカスを振りながら歌います。この3人のヴォーカリストは歌詞の中に"東京、大阪、札幌"といった地名を入れたり、メロディを自在に変えたりして、即興のセンスにも長けているのも魅力です。それでいてハモるところはばっちりハモリ、歌っていないときのバンドに合わせて体を動かしているときのしぐさも実にキレがあって、「リズムが体の中にすっかり入り込んでいる状態とは、こういうことをいうのだろうな」とうなずくしかありませんでした。

もちろんソリストも充実そのもの。トランペットのふたり、マヌエル・ルイスとジョナサン・パウエルは鮮やかなハイノート・ヒッターであり、ジミー・ボッシュとジョー・フィードラーもさすが、トロンボーンに尋常ではないこだわりを持つ('60年代の"トロンバンガ"を思い出すまでもなく)パルミエリの基準にかなっただけのことはある超実力派です。重鎮ニッキー・マレーロもボンゴとティンバレスで華やかなソロを繰り広げました。しかし最も冒険的で、アグレッシヴで、大胆不敵なのは主役エディ・パルミエリによるピアノ・プレイです。まったく先の読めない、「いったい、なにがどうなっているんだ?」と鬼才ぶりに感服させられるしかないフレーズの数々。セロニアス・モンクやマッコイ・タイナーなどジャズ・ピアニストからも影響を受けて形成されたパルミエリのピアノ世界は、今なお雄大に広がるばかりです。公演は13日まで行われます。「可能な限り最高のミュージシャンを集めた、私の誇らしいオーケストラだ」と豪語するパルミエリの最新サルサ・オーケストラを、ぜひナマでご体感ください!
(原田 2017 7.11)

Photo by Great The Kabukicho

SET LIST

2017 7.10 MON.
1st
1. LIFE (PIANO SOLO)
2. PA LA OCHA TAMBO
3. PA’ HUELE
4. MUÑECA
5. LINDO YAMBU
6. LA LIBERTAD LOGICO
7. COMPARSA DE LOS LOCOS
 
2nd
1. LIFE (PIANO SOLO)
2. BILONGO
3. PA’ HUELE
4. OYE LO QUE TE CONVIENE
5. LINDO YAMBU
6. AZUCAR PA’TI
7. COMPARSA DE LOS LOCOS

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