2017 7.18 tue., 7.19 wed., 7.20 thu., 7.21 fri.
PEABO BRYSON
artist PEABO BRYSON
原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO
甘くとろけるようなバラード、熱気ほとばしるアップ・テンポ・ナンバー、すべてのオーディエンスを徹底的に楽しませる抜群のエンタテインメント性。巨星ピーボ・ブライソンが、約2年半ぶりにブルーノート東京の舞台に立っています。
ベース、キーボード、指揮を兼ねるドゥワイト・ワトキンス率いるバック・バンドがタイトな演奏を繰り広げる中、ピーボは客席を歩き、「よろしくお願いします」「ありがとうございます」と日本語でいいながら、手を握ります。ここでオーディエンスの心をがっちりつかみ、TOTOのカヴァー「I'll Be Over You」へ。ピーボはこの曲を、今年2月に亡くなったギター奏者ラリー・コリエルの同名アルバム('95年)で歌っていました。ぼくはこの曲をコリエルへのトリビュート・ナンバーとして聴きました。
つづいて'84年リリースの出世作というべき「If Ever You're in My Arms Again」(愛をもう一度)へ。口とマイクの距離を自在に動かしながら、豊かな声量で歌い込みます。おそらくピーボは何千何万回もこの曲を歌ってきたことでしょう。しかし歌唱は丁寧そのもの、彼がどれだけ歌詞を大切にするシンガーであるかが、改めて伝わってきます。スティングの楽曲「Set Them Free」は客席に入り込んでの熱唱。途中にラップ・パートも挟み込んで、躍動的な一面を大いに発揮しました。
「King of Sorrow」ではギターの弾き語りを披露し、後半は「Beauty and the Beast」と「A Whole New World」という、ピーボ自身が生んだ世界的なメガ・ヒットを続けて聴かせてくれました。とくに前者は、ヒット中の映画『美女と野獣』(実写版)でジョン・レジェンドがカヴァーして再評価が高まっているナンバー。それも見事な出来ですが、オリジナル・アーティストであるピーボが歌う同曲はひときわ風格にあふれています。ラストの「Ain't Nobody」では"お立ち台"の上でソウルフルにシャウトして観客を総立ちにさせ、エンディングでは女性ファンにバラの花束を配りました。
「握手」から「花束」までの完璧なステージ構成、次から次へと登場する名曲の数々。ピーボ以外の誰にもできない、極上のエンタテインメント・ショウは21日まで続きます。
(原田 2017 7.19)
Photo by Yuka Yamaji
2017 7.18 TUE.
1st & 2nd | |
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1. | I’LL BE OVER YOU |
2. | IF EVER YOU’RE IN MY ARMS AGAIN |
3. | TONIGHT I CELEBRATE MY LOVE |
4. | SET THEM FREE |
5. | KING OF SORROW |
6. | THINKING OUT LOUD |
7. | YOU CAN HAVE ME ANYTIME |
8. | BEAUTY AND THE BEAST |
9. | A WHOLE NEW WORLD |
EC. | AIN’T NOBODY |