2017 8.6 sun., 8.7 mon.
KEZIAH JONES
artist KEZIAH JONES
原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO
変幻自在のギターとヴォーカルが、真夏の夜にスリリングな興奮を運びます。
ナイジェリア出身の鬼才、キザイア・ジョーンズの圧倒的なステージが、昨日から始まりました。ブルーノート東京への登場は約2年4か月ぶり、通算2度目です。前回はバンド編成でしたが、今回はギター弾き語りによるソロ・パフォーマンス。彼の音作りの骨格があらわになるというか、エッセンスが伝わるというか、とにかく生々しいパフォーマンスが続きます。「キザイアは家でもこうやってギター片手に曲を書き、ギターをかき鳴らしているのかな」と考えるうちに、ぼくはなんだか彼のホーム・パーティに招かれているような気分になってきました。
トレードマークの帽子をかぶり、足取りも軽くステージに登場したキザイアはオーディエンスに「今日はアコースティック・ソングをお届けするよ」と言い、ギターを手にします。彼のプレイは決してヴォーカルの"伴奏"にとどまりません。歌の合間にオブリガート(助奏)を入れたり、かと思えば歌とメロディをユニゾンで奏でたり、単音と和音を絶妙に組み合わせたプレイを歌に絡ませたり・・・目の前にいるのはキザイアひとりなのに、"これ、本当にすべてひとりで演唱しているのか?"と信じられなくなる瞬間もたびたびありました。しかも事前にプログラミングされたものは一切なく、すべてがリアルタイムで行なわれているのですから、神業です。ヴォーカル・マイクは2本使用されていて、1本にはエフェクターがかかっていました。そのマイクの前で歌うと、キザイアの声にハーモニーがかかり、"ひとりコーラス"が完成するのです。
演目は「Kpafuca」、「What We Don't Know」、「Beautiful Emily」、プリンスの有名曲をキザイア色に染めた「When Doves Cry」等。彼は事前にセットリストを作らず、その場で何を披露するか決めていくタイプですが、ギターと歌の絡みはどの曲でも冴えわたり、観客を沸かせます。そしてオーラスは大定番の「Rhythm Is Love」。コール&レスポンスを織り込んだ展開、ギターをお尻側に回しての超絶ソロ。本日もこのテンションで、彼は突っ走ってくれることでしょう。
(原田 2017 8.7)
Photo by Tsuneo Koga
2017 8.6 SUN.
1st | |
---|---|
1. | FEMILIARISE |
2. | THE WISDOM BEHIND THE SMILE (CASH) |
3. | WHERE’S LIFE |
4. | KPAFUCA |
5. | NEPTUNE |
6. | BEAUTIFUL EMILIE |
7. | PLEASURE IS KISSES WITHIN |
8. | WHAT WE DON’T KNOW |
9. | INSIDE OUT AND UPSIDE DOWN |
10. | ALL PRAISES |
11. | THE INVISIBLE LADDER |
2nd | |
1. | FEMILIARISE |
2. | WET QUESTIONS |
3. | NEPTUNE |
4. | ALL PRAISES |
5. | PLEASURE IS KISSES WITHIN |
6. | WHERE’S LIFE |
7. | THE WISDOM BEHIND THE SMILE (CASH) |
8. | KPAFUCA |
9. | WHAT WE DON’T KNOW |
10. | BEAUTIFUL EMILIE |
11. | WHEN DOVES CRY |
12. | WAR |
13. | SECRET THOUGHTS |
EC. | RHYTHM IS LOVE |