8.19 sat., 8.20 sun., 8.21 mon. @Blue Note Tokyo / 8.22 tue., 8.23 wed. @Cotton Club
MIKE STERN / BILL EVANS BAND featuring DARRYL JONES & SIMON PHILLIPS
artist BILL EVANS , MIKE STERN
原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO
まさしくサミット・ミーティングと呼ぶにふさわしいセッションが繰り広げられています。メンバーはマイク・スターン(ギター)、ビル・エヴァンス(サックス)、ダリル・ジョーンズ(ベース)、サイモン・フィリップス(ドラムス)というパワフルこのうえない面々。マイクとビルは'81年にマイルス・デイヴィスが結成したグループ(通称カムバック・バンド)に抜擢され、知名度を一気に広げました。彼らが脱退した後、入れ替わるようにマイルス・バンドに迎えられたのがダリルです。またマイク+ビル、マイク+ダリルは、時期は違うもののステップス・アヘッドに所属していたこともあります。ジェフ・ベックやミック・ジャガー等のサポートを務めていたサイモンがジャズ/フュージョンに以前にも増して積極的に取り組むようになったのは'90年代以降だったと記憶していますが、彼はもともと'60年代にマイルス・バンドにいたトニー・ウィリアムスの大ファン。アルバム『アナザー・ライフタイム』はトニーに捧げられています。2012年、マイクがリー・リトナーと共に来日した時のドラマーもサイモンでした。
開演前から、超満員の会場はすごい熱気です。ジャズ/フュージョン・ファンはもちろん、マイルス・ファン、彼らのテクニックを目で盗もうとする"楽器ファン"らが、いかにこのライヴに期待を寄せているかがひしひしと伝わります。1曲目は近年のマイクのライヴで定番となっている「Out Of The Blue」。全員が存分に、個性たっぷりのソロをとり、そのつどオーディエンスから大きな拍手を引き出します。次はビルの楽曲から「Tit For Tat」。2012年にリリースされたアルバム『Dragonfly』に入っていたナンバーです。テーマ・メロディを吹くビルのテナー・サックスにはディレイがかかり、ギター・ソロのバックではアコースティック・ピアノも演奏します。「そういえばビルはマイルス・バンドでも、サックスの出番がないときはよくキーボードを弾いていたなあ」と、古参ファンであるぼくは感慨深くなりました。マイクがギターとスキャットを重ねる「All You Need」でも、ビルのピアノが絶妙なアクセントを加えました。
続いて再び『Dragonfly』から「Kings And Queens」。CDではドラマーとしても知られるジョシュ・ディオン(故チャック・ローブに見出された実力者です)がリード・ヴォーカルをとっていましたが、この日はビルみずからピアノを弾きながら歌います。これがまた実に渋くていい声、ブルース・ロック風の曲調にぴったりなのです。最近話題の逸材、デクラン・オドノヴァンをより深く、ブルージーにした感じといえばいいでしょうか。しかもビルは間奏でテナー・サックスも吹き、文字通り休む間もない活躍ぶりでした。そしてダリルのベース・ラインが実にかっこいいのです。彼は20数年にわたってローリング・ストーンズのツアーやレコーディングに参加していますが、そこで得た"歌手(スター)を引き立てるコツ"は数知れないのではないか、と思います。
そしてオーラスはジミ・ヘンドリックスのブルース「Red House」。ファースト・コーラスをマイク、セカンド・コーラスをビルが歌い、ラストではギター、サックス、ベース、ドラムスが一体となってクライマックスにもつれこみます。いずれも来日経験豊富な面々ばかりですが、この4人が揃うライヴは超貴重だと思います。公演は21までブルーノート東京、22日と23日がコットンクラブです。
(原田 2017 8.20)
Photo by Yuka Yamaji
●MIKE STERN / BILL EVANS BAND
featuring DARRYL JONES & SIMON PHILLIPS
2017 8.19 sat., 8.20 sun., 8.21 mon. ブルーノート東京
2017 8.22 tue., 8.23 wed. コットンクラブ
2017 8.19 SAT.
1st | |
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1. | OUT OF THE BLUE |
2. | TIT FOR TAT |
3. | ALL YOU NEED |
4. | KINGS AND QUEENS |
5. | UNTITLED |
6. | WHAT MIGHT HAVE BEEN |
7. | TIPATINA’S |
EC. | RED HOUSE |
2nd | |
1. | COOL EDDIE |
2. | SOULBOP |
3. | ALL YOU NEED |
4. | KINGS AND QUEENS |
5. | UNTITLED |
6. | WING AND A PRAYER |
7. | CHROMAZONE |
EC. | RED HOUSE |