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RICHARD BONA & MANDEKAN CUBANO

artist RICHARD BONA

REPORT

原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO


アフリカン・サウンドとキューバン・サウンドを融合した、飛び切り熱いバンド。それがリチャード・ボナ率いる"マンデカン・クバーノ"です。昨年の夏に来日して大反響を巻き起こしたのも記憶に新しいところですが、今、さらに磨きのかかったサウンドで「ブルーノート東京」に登場しています。

パーカッションのルイシート・キンテーロはチック・コリア=スティーヴ・ガッド・バンドに移籍しましたが、他のメンバーは不動です。オスマニー・パレーデス(ピアノ)、ルドウィッグ・アフォンソ(ドラムス)、ロベルト・キンテーロ(パーカッション)とボナのエレクトリック・ベースが一体となって生み出す音の厚み、うねりに圧倒されないリスナーはいないでしょう。デニス・エルナンデスのトランペットはミュート・プレイにも大きな魅力を発揮し、レイ・アレハンドレのトロンボーンにも存分にアドリブの場が与えられました。楽曲はアルバム『Heritage』からのものが中心。ぼくが見た初日のセカンド・セットはほぼ全編ヴォーカル・ナンバーで占められ、"美しい歌声と超絶的ベース・プレイのブレンド"という、ボナならではの世界を満喫することができました。

そして今回、サウンドに異彩を加えていたのが新加入したエリ・メネゼスのエレクトリック・ギターです。ブラジル出身、現在は米国ニューヨークを拠点とする気鋭で、ローリン・ヒルやミシェル・ンデゲオチェロとの共演歴もあります。「Santa Clara」ではカルロス・サンタナばりの、すすり泣くようなプレイを展開。ボナが"ロックの準備はいいか?"と観客に呼びかけてスタートした70年代アメリカン・ロック調の「Diba La Bobe」(アルバム『Bonafied』収録)でも、勢いの良い弾きまくりを聴かせてくれました。彼の参加で、今後のマンデカン・クバーノにはロック・テイストも加わっていくことでしょう。

またライヴの後半では、嬉しいバースデー・セレブレイションもありました。この10月28日は、ボナの誕生日だったのです。ステージにケーキが運び込まれ、メンバーと観客がハッピーバースデーを歌います。ボナは笑顔のままケーキの上に立ったロウソクの炎を一息で吹き消し、「祝ってくれてありがとう。みんなで立って踊ろうじゃないか」と観客に呼びかけながらベースを弾き始めます。そこにバンドが入り込んできて、ジャム・セッション的な展開に。ミュージシャンとオーディエンスが喜びを共有しあった、本当に素敵なライヴでした。このホットな雰囲気のまま、公演は31日まで続きます。
(原田 2017 10.29)


Photo by Tsuneo Koga

SET LIST

2017 10.28 SAT.
1st
1. JOKOH JOKOH
2. KALABANCORO
3. EKWA MWATO
4. MUT’ ESUKUDU
5. SANTA CLARA
6. JANJO LA MAYA
7. BILONGO
8. DIBA LA BOBE
EC. IMPROVISATION
 
2nd
1. JOKOH JOKOH
2. KALABANCORO
3. MUT’ESUKUDU
4. SANTA CLARA
5. EKWA MWATO
6. JANJO LA MAYA
7. BILONGO
8. DIBA LA BOBE
EC. EYEOME


Photo by Tsuneo Koga

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