2017 11.3 fri., 11.4 sat., 11.5 sun., 11.6 mon.
MICHEL CAMILO featuring ELIEL LAZO
artist ELIEL LAZO , MICHEL CAMILO
原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO
最新アルバム『ライヴ・イン・ロンドン』が日本先行リリースされたばかり。最高のタイミングでミシェル・カミロが「ブルーノート東京」公演を開催しています。ソロ、デュオ、トリオ、セクステット、ビッグ・バンドと、いろんなフォーマットで来日ステージを届けてくれたカミロですが、今回はキューバ出身の若手パーカッション奏者エリエル・ラソとのデュオです。
打楽器奏者とカミロの二重奏というと、過去にジョヴァンニ・イダルゴの傑作アルバム『Hands of Rhythm』(97年)での丁々発止がありました。ジョヴァンニはコンガから千変万化の響きを出す名手ですが、エリエルはコンガ、カウベル(手と足の両方)、タムタム、シンバル、ハイハット、ウィンドチャイム、シェケレなどを所せましと並べ、手だけではなくマレットも使います。さらに両手でコンガを叩きながら左足でハイハット、右足で足カウベルを踏むという超絶技も聴かせてくれました。ドラマーとパーカッショニストが合体したハイブリッドなスタイルといえばいいでしょうか。カミロとエリエルは5年ほど前にデンマークのコペンハーゲンで出会って意気投合、カミロは彼と演奏する時に生まれるマジックが大好きなのだそうです。ふたりで来日するのは今回が初めてですが、この公演によってエリエルの人気と知名度は日本でも一気に上昇することでしょう。
ラテン・フレイヴァ―炸裂の熱い演奏、ロマンティックなバラード、ジャズの古典的ナンバーに対する斬新な解釈など、さまざまな選曲でふたりは観客を引き付けます。カミロは無伴奏ソロ・パフォーマンスも聴かせてくれましたが、これはもう、ジャズ・ピアノ・テクニックの頂点をいっているのではないかと思えるほどすさまじいものでした。なかでも圧巻は「I Got Rhythm」「Caravan」「Sing, Sing, Sing」のメドレーです。唖然とさせられるほど粒の揃ったタッチで、ストライド奏法やオクターヴ奏法を駆使するのはもちろん、ビッグ・バンドの金管楽器と木管楽器のコール&レスポンスをも88鍵におきかえんばかりの勢いで猛烈にスウィングします。満場から巻き起こる、怒涛のような拍手と声援。終演後、ぼくの後ろ斜めから、「絶対、もう1回見に来る」というオーディエンスの声がきこえてきました。
公演は6日まで続きます。今回のカミロの音楽は、ひときわ雄大です。
(原田 2017 11.4)
Photo by Yuka Yamaji
2017 11.3 FRI.
1st | |
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1. | ISLAND BEAT |
2. | FOOTPRINTS |
3. | HELLO AND GOODBYE |
4. | A PLACE IN TIME |
5. | TAKE FIVE |
6. | YOU AND ME |
7. | PAPRIKA |
8. | THE FRIM FRAM SAUCE |
9. | MANTECA |
EC. | I GOT RHYTHM ~ CARAVAN ~ SING SING SING |
2nd | |
1. | BLUE BOSSA |
2. | AMO ESTA ISLA |
3. | JUST LIKE YOU |
4. | YES |
5. | TEQUILA |
6. | MONGO’S BLUES |
7. | SANDRA’S SERENADE |
8. | ON FIRE |
EC. | DANZA LUCUMI |