2018 1.15 mon., 1.16 tue.
JORDAN RAKEI
artist JORDAN RAKEI
原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO
話題のシンガー・ソングライターが、ついにブルーノート東京に初登場! ジョーダン・ラカイの公演が昨日から始まりました。クック諸島出身、英国ロンドンを拠点に活動。その音楽的天分は、サム・スミス、ジャイルス・ピーターソン、ロバート・グラスパー、リチャード・スペイヴンなど多くの才人から認められています。
今回の公演は、2017年3月に行なわれたコットンクラブでの演奏とまったく同じメンバーによるもの。2つのスネア・ドラムの響きを対比させ(ひとつは鋭く"パシッ"、もうひとつはこもり気味で太い"ズボッ"という感じの音を出す)、さらにリム(タムの淵にある盛り上がったところ)を軽やかに叩くジム・マクレエのドラム・プレイはどの曲でも冴えわたり、ベースのトム・ガイは低音部をグルーヴィーに担うだけではなく、見事なハーモニー・ヴォーカルも堪能させてくれました。ちょっと抑え気味の低めの声が、ジョーダンのハイトーン・ヴォイスにぴったり重なって、音楽をさらに豊かに膨らませていくのです。ギターのシェルドン・アグウは、B.B.キングやフレディ・キングのブルースで音楽に本格的に開眼し、その後ウェス・モンゴメリーやアーネスト・ラングリンのジャズ・ギターを知り、アラン・ホールズワース系のギタリストであるスコット・マッギルにジャズ奏法を習い、J・ディラの音楽にも大いに共感し、今日に至るという逸材です。「ギタリストが歌のバックで弾くときは、コード(和音)やカッティングがどうしても主になる」というのが、ぼくの印象ですが、シェルドンは単音によるさまざまなフレーズを歌の背後で奏でたり、合間に挟みます。液体のように形を変化させてゆくバックのサウンドと、漂うようなジョーダンの歌声との融合は、まさしく時間の流れを忘れさせてくれました。抑え気味の照明、背後のスクリーンにうつる幻想的な映像の数々も、音楽と一体化していました。
レパートリーは最新作『Wallflower』からタイトル曲、「Eye To Eye」、「Hiding Place」、前作『Cloak』から「Blame It on the Youth」、「The Light」等。ジョーダンはキーボードの弾き語りだけでなく、アコースティックやエレクトリック・ギターも演奏しました。高く滑らかでありつつ"強さ"を感じさせる声、ミュージシャンの多彩な音作り。今回の公演で彼はさらに日本での支持を確かにすることでしょう。
(原田 2018 1.16)
Photo by Makoto Ebi
2018 1.15 MON.
1st & 2nd | |
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1. | EYE TO EYE |
2. | GOODBYES |
3. | NERVE |
4. | ADD THE BASSLINE |
5. | THE LIGHT |
6. | BLAME AT ON THE YOUTH |
7. | CARNATION |
8. | HIDING PLACE |
9. | WALL FLOWER / LUCID |
10. | Alright |
11. | MIDNIGHT MISCIEF / TRIBE |
12. | SELFISH |
13. | TALK TO ME |
EC. | SORCERESS |