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LARRY CARLTON "The Greatest Hits"

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原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO


不滅の人気を誇るギター・ヒーロー、ラリー・カールトンの来日公演が快調にスタートしました。今年のライヴのサブタイトルは"ザ・グレイテスト・ヒッツ"。きのう初日を迎え、2月6日にかけて5日連続で計10ステージが行なわれます。

この2018年は、ラリーにとって様々なアニヴァーサリーが重なる一年です。知る人ぞ知るファースト・アルバム『With A Little Help From My Friends』の制作から50年。クルセイダーズを離れてソロ・アーティストとしての名声を確立した『Larry Carlton』(邦題:『夜の彷徨(さまよい)』)のリリースから40年。そしてラリー自身も来月で生誕70年を迎えます。歌うようなフレージング、ブルースへの愛に根差したプレイにはますます磨きがかかり、超満員の観客から大きな拍手と声援を受けていました。

"ラリーのライヴはにぎやかに盛り上がる曲から始まる"という印象が個人的にはあるのですが、この日はまず無伴奏ギター・ソロでスタートしました。余韻を生かした、語り掛けるようなプレイです。そしてそこからメンバー総出によるグルーヴィーなギグへと続きます。ラリーはいつも強力なメンバーを連れてきてくれます。しかし今回のラインナップからはいつにも増して豪華な印象を受けました。キーボードはジョン・マクラフリンのマハヴィシュヌ・オーケストラ('80年代ヴァージョン)やウェイン・ショーターのグループで活動したミッチ(ミッチェル)・フォアマン。ドラムスはチック・コリア・エレクトリック・バンドIIに在籍経験があり、ロベン・フォードやアラニス・モリセットのサポートも経験したゲイリー・ノヴァク。ふたりとも超重量級です。ベースを担当する愛息トラヴィス・カールトンも小気味よいビートを送り出し、テナー・サックスのポーリー・セラはB.B.キングらも取り上げたブルース・ナンバー「I'm Gonna Move To The Outskirts Of Town」で確かな歌唱力も披露しました。

アコースティック・ギターを弾いた名盤『アローン・バット・ネヴァー・アローン』からの「Smiles And Smiles To Go」をエレクトリック・ギターで軽やかに聴かせ、アルバム『ディスカヴァリー』に収められていたドゥービー・ブラザーズのカヴァー「Minute By Minute」はシャッフル・ブルース風のアレンジで楽しませてくれます。ラリーはまた、セッション・ミュージシャンとして数えきれないほどのアルバムに参加してきましたが、初日のファースト・セットではマイケル・ジャクソンのヒット・アルバム『オフ・ザ・ウォール』から、バラード「She's Out Of My Life」を聴かせてくれました。オーラスでは幻想的な即興演奏を展開、"この先、どう移り変わっていくのだろう"と思っていると、そこから鮮やかに大定番「Room 335」へ。想像の斜め上を行く展開でした。セットリストは毎回異なるとのこと、カールトンの至芸と名曲の数々をぜひお楽しみください!
(原田 2018 2.3)


Photo by Makoto Ebi

SET LIST

2018 2.2 FRI.
1st
1. GOODBYE (SOLO)
2. SONG FOR KATIE (SOLO)
3. DEEP INTO IT
4. FRIDAY NIGHT SHUFFLE
5. 10 PM
6. SMILES AND SMILES TO GO
7. I’M GONNA MOVE TO THE OUTSKIRTS OF TOWN
8. MINUTE BY MINUTE
9. SHE’S OUT OF MY LIFE
10. HILL STREET BLUES
11. OUI OUI SI
EC. ROOM 335
 
2nd
1. THE LORD’S PRAYER (SOLO)
2. GOODBYE (SOLO)
3. SONG FOR KATIE (SOLO)
4. FRIDAY NIGHT SHUFFLE
5. MY MAMA TOLD ME SO
6. 10 PM
7. SMILES AND SMILES TO GO
8. I’M GONNA MOVE TO THE OUTSKIRTS OF TOWN
9. MINUTE BY MINUTE
10. HILL STREET BLUES
11. SHE’S OUT OF MY LIFE
12. OUI OUI SI
EC. ROOM 335

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