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VANESSA WILLIAMS

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原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO


祝、アルバム・デビュー30周年! 「ミス・アメリカ」に輝く美貌の歌姫、アメリカを代表するエンターテイナーであるヴァネッサ・ウィリアムスが3年ぶりにブルーノート東京に帰ってきてくれました。

最初にバンド・メンバーが登場し、音楽監督&キーボード奏者のリオ・コロンが絶妙なタイミングで主役の名前をコールします。演奏が始まる中、万雷の拍手を受けて登場するヴァネッサ。彼女が登場すると、ステージはいっそう華やかになります。オープニングは'91年の代表曲「Comfort Zone」。スタンドマイクの前に立ったヴァネッサは気持ちよさそうに体を動かしながら艶のある声を響かせ、バンド・メンバーも一体となって快演を聴かせます。ドラムスは名手JTルイス。ヒップホップに取り組んでいた頃のハービー・ハンコックが組んでいた"ロックイット・バンド"に在籍、ドナ・サマー、ティナ・ターナー、ヘンリー・スレッギル、キップ・ハンラハンなど数々の才人と組んできたオールラウンドなベテランです。"歌を引き立て、バンドをグルーヴさせる" 彼のリズムもまた、この夜の大きな聴きどころでした。

ステージはほぼ1曲ごとにヴァネッサの語りを挟む形で進みました。'88年にリリースされたファースト・アルバムの表題曲「The Right Stuff」、メロウな「Dreamin'」、映画「ポカホンタス」の主題歌でゴールド・ディスクに輝いた「Colors of the Wind」などが登場するたび、客席から大きな歓声が巻き起こります。ブラジル音楽の雰囲気を感じさせる「Constantly」はメンバー紹介も兼ねた一曲。個人的にはキース・ロビンソンの、アール・クルーに通じる軽やかなアコースティック・ギター・ソロが強く印象に残りました。"彼はバンドにテイスティ・フレイヴァ―を持ち込んでくれる" と、ヴァネッサもMCで語っています。

バック・ヴォーカルのダリウス・デ・ハースがソロで「Superwoman」と「Summer Soft」(いずれもスティーヴィー・ワンダー)を歌い、見事な実力を示した後、ふたたびヴァネッサの時間が始まります。まずは、古典的なスタンダード・ナンバー「Stormy Weather」。"私のアイドル、リナ・ホーンが歌って有名になった曲"とMCで語っていましたが、このリナ・ホーンも美貌と歌唱力で歴史に名を残す歌手兼女優、"1940年代のヴァネッサ"といえる存在です。場内をしっとりした空気で包んだ後は、ニューヨーク・タイムズで"アメリカのミュージカル界で最高の人物"と絶賛されたスティーブン・ソーンダイムが書いたドラマティックな「Losing My Mind」と「Not a Day Goes By」をメドレーで聴かせ(「Not~」はダリウスとのデュエット)、全米ヒット・チャートの首位に輝いた「Save The Best For Last」などを快唱。名曲満載のひとときを満喫させてくれました。

ヴァネッサのクラブ出演は世界的に稀少であり、その姿や歌声が手の届くような距離で楽しめるのは"ゴージャス"の一語につきます。このプレミアムなひとときを、ぜひご体験ください。公演は本日まで行なわれた後、若干のブレイクをはさみ、9日、10日、11日と続きます(7日と8日はBJ・ザ・シカゴ・キッドが登場しますが、こちらもお勧めです)。
(原田 2018 3.6)

Photo by Yuka Yamaji

SET LIST

2018 3.5 MON.
1st & 2nd
1. THE COMFORT ZONE
2. THE RIGHT STUFF 〜 RUNNING BACK TO YOU
3. DREAMIN'
4. LOVE IS
5. COLORS OF THE WIND
6. THE SWEETEST DAYS
7. FINALE: CHILDREN WILL LISTEN
8. WHO WERE YOU THINKIN' 'BOUT?
9. CONSTANTLY
10. SUMMER SOFT 〜 SUPERWOMAN(WHERE WERE YOU WHEN I NEEDED YOU)
11. STORMY WEATHER
12. LOSING MY MIND/NOT A DAY GOES BY
13. IF THERE WERE NO SONG
14. OH HOW THE YEARS GO BY
15. SAVE THE BEST FOR LAST
EC. WORK TO DO

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