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EDMAR CASTANEDA

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原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO


驚異のハープ奏者、エドマール・カスタネーダの来日公演が昨日から始まりました。「ブルーノート東京」にはこれまでゴンサロ・ルバルカバや上原ひろみと共に登場してきましたが、今回は遂に自身のユニットによるパフォーマンスです。

共演者はイスラエル・テルアビブ生まれで故バーニー・ウォーレル(Pファンクの伝説的キーボード奏者)ともプレイしたサックス奏者シュロミ・コーエン、コロンビア出身の母を持つドイツ生まれのドラム奏者ロドリゴ・ヴィラロン(4日からブルーノート東京に登場するベニー・ゴルソンとも演奏したことがあります)。ハープ、サックス、ドラムという世にも珍しい楽器編成なのですが、これが非常に面白い! ロドリゴはスティックでドラムを叩くだけでなく手を使ってメロディアスなプレイも行ない、さらに(アントニオ・サンチェスのように)カウベルをフット・ペダルで踏みながら猛烈なグルーヴを生み出します。アルト・サックスも得意とするシュロミは今回、ソプラノ・サックスに専念。鳥のさえずりのような音から、ソプラノとは思えないような低めのトーンまで、自由自在に吹きまくります。なんともいえない"こぶし"を湛えたプレイは、やはりイスラエル出身のダニエル・ザミールを思い起こさせてくれました。

主役のエドマールは、自分の名前入りのハープを抱きかかえるようにして10本の指を弦に走らせます。足もリズムをとったり、エフェクターを踏んだりと忙しく、まさに全身運動として楽器をプレイしている印象を受けました。その役割はハープでありつつ、キーボード、ギター、ベースのパートも兼ねている・・・といえばいいでしょうか。とくにジャコ・パストリアスに捧げたファンキーな「For Jaco」(上原ひろみとのデュオ・アルバム『ライヴ・イン・モントリオール』にも入っています)での弾きっぷりは圧巻。ハーモニクスやシンコペーションも含めてエドマールがいかにジャコを愛し、研究してきたかが伝わります。ジャコはエドマールが生まれた頃にキャリアのピークを迎え、1987年に亡くなった神話的存在ですが、レガシーはこうして受け継がれていくのでしょう。オーラスの「枯葉」にも驚かされました。"北風が吹きすさぶ冷たい夜"という歌詞を持つシャンソンの古典が、サンバ・テイストを加えた灼熱のサウンドに生まれ変わるのです。3者入り乱れてクライマックスへ突入し、バシッと音が止んだ瞬間、客席から猛烈に沸き起こる拍手。まさに鳥肌ものでした。

ここまでハープがエキサイティングな楽器であることを、ぼくはこの夜、初めてフルに実感したような気がします。ライヴは3日まで続きます。百聞は一見にしかず、エドマール・カスタネーダ・バンドの公演をぜひ目撃してください!
(原田 2018 5.2)

Photo by Takuo Sato

SET LIST

2018 5.1 FRI.
1st
1. CUARTO DE COLORES
2. ENTRE CUERDAS
3. JESÚS DE NAZARETH
4. FOR JACO
5. COLIBRI
EC. AUTUMN LEAVES
 
2nd
1. HARP IN EUROPE
2. DOUBLE PORTION
3. COLIBRI
4. JESÚS DE NAZARETH
5. FOR JACO
EC. AUTUMN LEAVES

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