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SÍLVIA PÉREZ CRUZ

artist SÍLVIA PÉREZ CRUZ

REPORT

原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO


日本とスペインの外交関係樹立150周年を記念して、カタルーニャが誇るライジング・スターの初来日が遂に実現しました!歌手・ソングライター・女優として華やかな活動を続けるシルビア・ペレス・クルスの公演です。ブルーノート東京公演は5月11日から始まりましたが、その前にはNHKテレビの『あさイチ』に生出演。来日を記念してリリースされたベスト盤『ジョイア』も大評判を集めています。

ぼくはもともとスペインのジャズに深い関心があり、もう10数年前になると思いますがバルセロナの老舗ジャズ・クラブ「ジャンボリー」ではアルベルト・サンスのピアノやハビエル・コリーナのベースを聴き、いたく感銘を受けたものです。2013年に国内発売された『エン・ラ・イマヒナシオーン』は、そのハビエルやアルベルト等と、シルビアのコラボレーション・アルバムでした。大御所カルメ・カネラが大活躍するカタルーニャのジャズ系ヴォーカル・シーンに、シルビア・ペレス・クルスは新風を吹き込んだのだ・・・・そんな感触を抱きました。

しかし彼女の音楽性は一か所にとどまりません。この初来日公演はファドやサンバ・カンソンへの愛を濃厚に感じさせるものでした。バックの楽器編成は2ヴァイオリン、1ヴィオラ、1コントラバス、1チェロ。つまり弦楽五重奏です。シルビアは彼らを背後に従えてパフォーマンスするだけではなく、向かい合ってアイコンタクトをとりながら歌ったり、メンバーの中に入り込んで歌ったり、横並びになって歌ったり、いろんな表現を行ないます。歌唱も尋常ではないほどメリハリに富んでいて、タメを利かせながら抑えて歌うところと、豊かな声量と長いブレスを全開にして歌い上げるところのコントラストも絶妙でした。曲目は「満月のトナーダ」、母が作詞・父が作曲したという「夜を纏う」、自身が作詞作曲した「アイ、アイ、アイ」、カナダ生まれのシンガーソングライターであるレナード・コーエンのカヴァー「ハレルヤ」等、『ジョイア』収録ナンバーが主体。弦楽五重奏のメンバーではヴァイオリンのカルロス・モントフォートがソリストとしても大活躍。うねるような弓弾き、楽器を真横にして行なった指弾き(ウクレレのような音を出していました)、ともに抜群の存在感でした。

鳴りやまない拍手と歓声のなか、6人は最高の笑顔でステージをおりました。公演は本日まで。"何を歌うのかと聞かれたら、『歌と感情を歌う』と答えています"と語るシルビアのエモーショナルな世界を、ぜひご堪能ください!
(原田 2018 5.12)


Photo by Takuo Sato

SET LIST

2018 5.11 FRI.
1st
1. TONADA DE LUNA LLENA
2. MECHITA
3. VESTIDA DE NIT
4. AI, AI, AI
5. NO HAY TANTO PAN
6. MAÑANA
7. LOCA
8. HALLELUJAH
9. ASA BRANCA
10. ESTRELLA
EC. GALLO ROJO, GALLO NEGRO
 
2nd
1. TONADA DE LUNA LLENA
2. MECHITA
3. VESTIDA DE NIT
4. AI, AI, AI
5. ESTRANHA FORMA DE VIDA
6. MAÑANA
7. LOCA
8. 20 AÑOS
9. HALLELUJAH
10. ASA BRANCA
11. ESTRELLA
EC1. CORRANDES D’EXILI
EC2. GALLO ROJO, GALLO NEGRO

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