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MARCUS MILLER & BLUE NOTE TOKYO ALL-STAR JAZZ ORCHESTRA directed by ERIC MIYASHIRO

artist BLUE NOTE TOKYO ALL JAZZ ORCHESTRA , MARCUS MILLER

REPORT

原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO

エドマール・カスタネーダとアルフレッド・ロドリゲスを迎えてインターナショナル・ジャズ・デイ(4月30日)を祝ったばかりのBLUE NOTE TOKYO ALL-STAR JAZZ ORCHESTRA directed by ERIC MIYASHIROが、昨日から再びブルーノート東京を燃え上がらせています。今回のスペシャル・ゲストはエレクトリック・ベースのカリスマ、マーカス・ミラー。彼がビッグ・バンドと共演するのは世界的にも大変稀少です。アレンジはすべて音楽監督のトランペッター、エリック・ミヤシロが担当しました。エリックにとってマーカスは音楽的ヒーローのひとり。中学生の頃にそのプレイを初めて聴いてから、すっかり魅せられて現在に至っているとのことのです。

テーマ・ソングである「Trains」で場内の熱気を高めた後、いよいよマーカスの登場です。ハーモニクスを駆使した無伴奏のソロで観客の視線を集め、やがてリズミカルなスラップ奏法へ。そこにリズム・セクションが入り込んで始まったのはデヴィッド・サンボーンに提供した「Run for Cover」。昨年行なわれたサンボーンとオールスター・オーケストラの共演でも演奏されたナンバーですが、当然ながら今回はベースを強調したアレンジ。エッジの立ったマーカスの音色が、オーケストラのリッチなサウンドに見事に溶け込みます。本田雅人のアルト・サックスも鮮やかなプレイを聴かせてくれました。

続いてはマーカスの目下の最新作『アフロディジア』から「Papa Was a Rolling Stone」(ザ・テンプテーションズのカヴァー)。これもベースのフレーズが印象的な曲ですが、オーケストラはそこに柔らかな木管アンサンブル(2クラリネット、2フルート、1バス・クラリネット)を絡ませて幽玄な雰囲気を生み出します。やはりサンボーンのために書いた「Snakes」ではオーケストラのベース奏者である納浩一が地を這うようなベース・ラインを奏で、その上にマーカスの華やかなスラップが炸裂します。

その後もジャコ・パストリアス作「Teen Town」(マーカスは少年の頃、ジャコのファースト・アルバムを何度も聴いては練習に打ち込んだそうです)、スタンダード・ナンバー「When I Fall in Love」、マイルス・デイヴィスに提供してマーカスの名をさらに高めることになった「TUTU」などが次々と取りあげられました。「When~」ではベースから離れてバス・クラリネットを吹きましたが、これも"余技"の域とはかけ離れた、まさしく熟達のアプローチです。ファンならご存知かと思いますが、マーカスはベースを始める前、10歳の頃からクラリネットを吹いていました。「もしベースと出会わなかったとしても、彼は木管奏者として才能を発揮していたはずだ」と、ぼくは改めて思いました。

マーカス以外のソリストでは小池修、中川英二郎、村田陽一(彼のバンド"ソリッド・ブラス"のアルバム『タイトネス』にはマーカスも参加しています)らが存在感を放ちました。エリックも「TUTU」でエフェクターを通したミュート・トランペットでソロをとり、大きな拍手を集めます。ステージのいちばん左奥に位置していた岡部洋一も曲によってコンガ、タンバリン、タブラなどを駆使し、時にマーカスのベースと絡み合うように、猛烈なグルーヴを生み出していました。

共演は本日まで行なわれ、24日から26日にかけてはマーカス自身のユニットによるステージが出演します。どちらも必見必聴です!

(原田 2018 5.16)

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★MARCUS MILLER
2018 5.24 thu., 5.25 fri., 5.26 sat.
5.24 thu., 5.25 fri.
[1st]Open5:30pm Start6:30pm [2nd]Open8:20pm Start9:00pm
5.26 sat. 
[1st]Open4:00pm Start5:00pm [2nd]Open7:00pm Start8:00pm
詳細はこちら
空席状況はお電話でご確認ください。(ブルーノート東京 : 03-5485-0088)
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Photo by Tsuneo Koga

SET LIST

2018 5.15 TUE.
1st & 2nd
1. TRAINS
2. RUN FOR COVER
3. PAPA WAS A ROLLING STONE
4. SNAKES
5. HYLIFE
6. TEENTOWN
7. TUTU
EC. BLAST

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