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DANILO PÉREZ, JOHN PATITUCCI & BRIAN BLADE "CHILDREN OF THE LIGHT"

artist BRIAN BLADE , DANILO PÉREZ , JOHN PATITUCCI

REPORT

原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO

ダニーロ・ペレス、ジョン・パティトゥッチ、ブライアン・ブレイド。ウェイン・ショーター・カルテット(2000年結成)のメンバーとしても活動を続ける3人の来日公演が遂に始まりました。カルテットが始まった頃のダニーロとブライアンは若手気鋭、すでにチック・コリア等のバンドで十数年のキャリアを持っていたジョンは中堅どころという感じでした。しかし現在は全員が偉大なマスターです。豊富なキャリア、卓越したテクニック、そして幅広い音楽への愛情が強く感じられる圧巻のステージでした。

いまではごく当たり前となった観がある"左手と右手の対位法的コンビネーション"をブラッド・メルドーと並んでジャズ界に果敢に取り入れた草分けがダニーロだと、ぼくは思っています。1996年のアルバム『Panamonk』に収録されている「Evidence」(左手)と「Four in One」(右手)の同時演奏はショッキングですらありました。この日もその得意技は冴えわたり、内部奏法(ピアノの弦を操作しながら弾く)では西アフリカの弦楽器"コラ"のような響きも醸し出してサウンドに幅を加えていました。そしてジョンはアコースティック・ベースに専念。高音域を多用した雄弁なソロに「鮮やかだなあ」と感服し、アルペジオ的なフレーズを弾く時の美しい左手のフォームに唸らされます。ブライアンはスティック、マレット、ロッズ、ブラッシュ、手を場面に応じて細かく使い分け、シンとした静寂からカーニバルのような熱狂までを創出します。今のジャズ・ドラム界は魅力的な奏者が星の数ほどいますが、やはりブライアンが生み出すダイナミクスは格別です。

プログラムは2015年リリースのアルバム『Children of the Light』からタイトル曲や「Moonlight on Congo Square」("コンゴ・スクエア"はジャズ誕生の地のひとつとされるニューオリンズの広場)、「Lumen」等。それから3年を経て音楽はさらに発展・拡大し、一つ一つの曲が壮大な響きを持って迫ります。アルバムを先に聴いたファンはライヴでの成長具合に驚くと思いますし、先にライヴを体験したファンはエッセンスのようなものをアルバムから感じることができるはずです。

「世の中ではネガティブな衝突も多いけれど、ポジティブなことのぶつかり合いこそが音楽で表現したいことなんだ。」と、ダニーロはMCで語っていました。光の使者たちのライヴは本日23日まで行なわれます。ウェイン・ショーターのファンの方も必見でしょう。

(原田 2018 5.23)

Photo by Takuo Sato

SET LIST

2018 5.22 TUE.
1st
1. CHILDREN OF THE LIGHT
2. GRATITUDE
3. MOONLIGHT ON CONGO SQUARE
4. LUMEN
5. WITHIN EVERYTHING
6. LOOKING FOR LIGHT
EC. EVERYTHING HAPPENS TO ME
 
2nd
1. SUNBURN AND MOSQUITO
2. LOOKING FOR LIGHT
3. UGLY BEAUTY
4. PANNONICA
5. GALLOPS GALLOPS
6. GRATITUDE ~ IMPROVISATION
7. LUMEN
8. WITHIN EVERYTHING
9. SUITE FOR THE AMERICAS

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