LIVE REPORTS

ARTIST ARCHIVES

MONTHLY ARCHIVE

VIDEO ARCHIVES


SADAO WATANABE with RUSSELL FERRANTE, EDWIN LIVINGSTON & KENDRICK SCOTT

artist KENDRICK SCOTT , SADAO WATANABE

REPORT

原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO


ニュー・アルバム『リバップ』が、ジャズライフ誌の「アルバム・オブ・ザ・イヤー2017」を獲得。御年85歳、ますます精力的な活動を続ける渡辺貞夫が昨日からアメリカの友人たちとゴキゲンなアコースティック・ジャズを聴かせています。

今回の共演者は'80年代から共演を続けているラッセル・フェランテ(ピアノ)、さらにエドウィン・リビングストン(ベース)、ケンドリック・スコット(ドラムス)という、ありそうでなかった顔合わせ。ラッセルはもちろん長い歴史を持つフュージョン・バンド"イエロージャケッツ"のメンバーでもあり、近年はムーンチャイルドのアンドリス・マットソンの師匠としても知られていることでしょう。エドウィンはメロディ・ガルドーやミシェル・コルトレーン(フライング・ロータスのいとこ)等との共演歴を持つ堅実な奏者。ケンドリックは先ごろ自身のバンド"オラクル"を率いて「BLUE GIANT NIGHTS」に出演した時の絶好調ぶりをそのまま維持しています。

レパートリーは『リバップ』からのものを中心にしながらも、ここ数年の愛奏曲もたっぷり盛り込んだ豪華なもの。先日インタビューしたとき、「できるだけサックスの生の音色を届けたいと思っている」と語ってくれたのですが、この日もマイクとの距離を計りながら、会場いっぱいに暖かなアルト・サックスのトーンを響かせてくれました。ラッセル、エドウィン、ケンドリックにも大きくスポットが当たりましたが、まさかリリカルなワルツ「Tree Tops」にドラム・ソロが挿入されるとは思いませんでした。しかし、これがなんとも美味なのです。ケンドリックは穏やかな曲調に寄り添うように前半で美しくシンバルを響かせ、後半ではこれ以上ないほど優しげな手つきでブラッシュを扱ってメロディアス極まりないフレーズを連発しました。

バラード「Deep In A Dream」あり、ボサノヴァ「Chega De Saudade」あり、'94年のフュージョン・アルバム『In Tempo』収録曲をアコースティックなファンキー・ジャズ調にアレンジした「Eye Touch」あり、4ビートで熱くスウィングする「Blue 'n Boogie」と曲調は多彩そのもの、それらを4人の猛者たちは次々と料理していきます。沸き起こる大きな拍手、ミュージシャンとオーディエンス双方に広がる笑顔。いろんなジャズの楽しさを、玉手箱のように詰め込んだ一夜という印象を受けました。公演は7月3日まで続きます。
(原田 2018 7.2)

Photo by Takuo Sato

【10月にコットンクラブ公演が決定!!】
●GRAND SEIKO PRESENTS SADAO WATANABE Vamos Juntos
2018. 10.6 sat., 10.7 sun., 10.8 mon. コットンクラブ
詳細はこちら

SET LIST

2018 7.1 SUN.
1st
1. BUTTERFLY
2. PLUM ISLAND
3. TREE TOPS
4. RE-BOP
5. I THOUGHT OF YOU
6. LOPIN'
7. WHAT'S NOW
8. I CONCENTRATE ON YOU
9. LIFE IS ALL LIKE THAT
EC. 花は咲く
 
2nd
1. ONE FOR YOU
2. TREE TOPS
3. EPISODE
4. DEEP IN A DREAM
5. SIMPATICO
6. EYE TOUCH
7. WARM DAYS AHEAD
8. SONG OF MAY
9. CHEGA DE SAUDADE
10. LIFE IS ALL LIKE THAT
EC1. 花は咲く
EC2. BLUE ’N’ BOOGIE

INDEX