2018 8.3 fri., 8.4 sat.
MASATO HONDA B.B.STATION -Big Band Night-
artist 本田雅人
原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO
とんでもなく盛り上がった昨夏の結成20周年公演から、早くも1年が経ちました。本田雅人B.B.Stationのステージが昨日から開催中されています。今回もキャッチ―、パワフル、エキサイティングなサウンドで超満員の観客を沸かせ、興奮させ、酔わせます。
ブルーノート東京オールスター・ジャズ・オーケストラ directed by エリック・ミヤシロの花形プレイヤーであり、6月に中野サンプラザで行なわれた角松敏生のコンサートでもソロにアンサンブルに大活躍していた本田ですが、このブルーノート東京公演では彼自身が作編曲したナンバーがプレイされます。オープニングはいうまでもなく、バンド・テーマの「Theme For B.B.S.」。今回は流麗なサックス・ソリをフィーチャーした新アレンジ・ヴァージョンです。井上陽介のアコースティック・ベースと則竹裕之のドラムスの一体感、エリック・ミヤシロがリードするブラス・セクションの輝かしい響きにも耳を奪われます。つづく「放課後は日曜日」も大定番ですが、ここでは初参加のギタリスト、菰口雄矢(元TRIX)が大活躍。本田のスキャットとのユニゾンは文字通り息がぴったりです。井上はエレクトリック・ベースに持ち替えて図太い音を放ちます。
「Little League Star」はステージ後半で演奏された「Megalith」同様、本田のT-SQUARE加入第一弾となったアルバム『NEW-S』(1991年)からの選曲。黒葛野敦司(つづらのあつし)のテナー・サックスはジョン・コルトレーン風に骨太に迫り、中川英二郎のトロンボーン、小林正弘(『NEW-S』にも加わっています)のフリューゲルホーンも会心のソロを展開。モダン・ジャズ的なアドリブと、菰口のロック・タッチのギターがスムーズに同居し、融合しているのもこのバンドの奥深さ・面白さです。本田の溜息のでるほど美しい無伴奏の導入部に始まり、カデンツァで終わるのはバラードの「Fair Affection」。艶のある音色、美しいタンギング、起伏に富んだメロディ・ラインに魅了されます。
ソプラノ・サックスに持ち替えての「Pinocchio」(途中、拍子が何段階かに変化します。とくに"パッパパ"とうフレーズ以降の展開が圧巻)から、サックス・セクションの技量の高さに口をあんぐりさせられる「サックスのためのソナタ第18番(おはこ)」に続く流れもたまらなくエキサイティングでした。
"熱くゴージャスな演奏をお届けします"という本田のMC通りのプレイが満喫できたB.B.Stationの公演。本日もビッグ・バンドの魅力を、これでもかと届けてくれることでしょう。
(原田 2018 8.4)
Photo by Yuka Yamaji
2018 8.3 FRI.
1st | |
---|---|
1. | THEME FOR B.B.S |
2. | 放課後は日曜日 |
3. | SEVEN |
4. | CIAO!!! |
5. | FAIR AFFECTION |
6. | CONDOLENCE |
7. | サックスのためのソナタ第18番「おはこ」 |
8. | MEGALITH |
EC. | FADE AWAY |
2nd | |
1. | THEME FOR B.B.S |
2. | 放課後は日曜日 |
3. | SEVEN |
4. | LITTLE LEAGUE STAR |
5. | FAIR AFFECTION |
6. | PINOCCHIO |
7. | サックスのためのソナタ第18番「おはこ」 |
8. | MEGALITH |
EC. | JOY |