LIVE REPORTS

ARTIST ARCHIVES

MONTHLY ARCHIVE

VIDEO ARCHIVES


Bluey from INCOGNITO presents "CITRUS SUN" with special guest TERUMASA HINO (8.11 sat., 8.12 sun.), MIHO FUKUHARA (8.9 thu., 8.10 fri.)

artist BLUEY , INCOGNITO

VIDEO

REPORT

原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO

インコグニートの総帥、ブルーイの別ユニット"シトラス・サン"の公演が昨日から始まりました。7月18日に発売されたばかりの新作『ライド・ライク・ザ・ウィンド』を携え、さらにスペシャル・ゲストをふんだんに迎えてのステージ。盛りだくさんの内容に、時間があっという間に過ぎていきます。

マット・クーパー(キーボード)、フランシス・ヒルトン(ベース)、フランチェスコ・メンドリア(ドラムス)、フランシスコ・サレス(ギター)、ジョアオ・カイターノ(パーカッション、ヴォーカル)はインコグニートでもおなじみのメンバー。しかし編成はやや小さめで、各メンバーのソロもたっぷりフィーチャーされます。そしてブルーイの青年時代('70~'80年代)に大きな影響を受けた、先輩ミュージシャンたちの楽曲がセットリストには多く含まれています。「彼らにゆかりのあるナンバーを演奏することで、そのレガシーを今日に伝えたいんだ」と、彼は語りました。

テリー・キャリアーの楽曲「What Color Is Love?」ではイマーニがリード・ヴォーカルをとり、ニュー・アルバムのタイトル・ナンバーでもある「Ride Like the Wind」では、クリストファー・クロスのオリジナル・ヴァージョンとトランペット奏者フレディ・ハバードのカヴァー・ヴァージョン双方の雰囲気を残しつつシトラス・サン流にアレンジ。ドミニク・グローヴァ―のトランペット・ソロも光彩を放ちました。

スペシャル・ゲストは抜群の実力派、福原美穂。ゴスペルやソウル・ミュージックへの愛に溢れたスケールの大きなヴォーカルはいつ聴いても爽快です。この日はまず日野皓正(11日と12日にスペシャル・ゲストとして登場)の「Send Me Your Feelings」をカヴァーし、さらにイマーニをコーラスに迎えて新曲「I Want You」を熱唱。続いてもうひとりのゲスト、レガ・ダウナが登場します。彼はことし20歳。2年前、ジャカルタの「Java Jazz Festival」でブルーイに認められ、今回の初来日となりました。「私にとって彼はトゥーツ・シールマンス、スティーヴィー・ワンダーに続く、フェイヴァリット・サウンドを持っているハーモニカ奏者だ」と、ブルーイは賞賛します。

「So What」はマイルス・デイヴィスの曲ですが、シトラス・サンはこれをギター奏者ロニー・ジョーダンのカヴァー・ヴァージョンに基づいて演奏しました。ロニーは2014年に急逝してしまいましたが、'90年代、いわゆるアシッド・ジャズをインコグニートと共に推進したひとりです。そしてオーラスは、トランペット奏者トム・ブラウンが'80年代初頭に流行らせた「Funkin' for Jamaica」を全員でプレイ。観客総立ちのまま、ライヴの幕は閉じました。

MCではインコグニートのブルーノート東京公演が12月に決定したこと、2019年に結成40周年記念アルバムがリリースされることもアナウンスされました。シトラス・サンはインコグニートのファンはもちろん、フュージョン好き、AOR好き、シティ・ポップ好きにもアピールすることでしょう。公演は12日まで続きます。

(原田 2018 8.10)

Photo by Great The Kabukicho

SET LIST

2018 8.9 THU.
1st & 2nd
1. CALLING MR WOLF
2. WHAT COLOR IS LOVE
3. RIDE LIKE THE WIND
4. SEND ME YOUR FEELINGS
5. I WANT YOU
6. VISÃO
7. YOU’VE GOT IT BAD GIRL
8. VONTADE DE REVER VOCE
9. DRUM / PERCUSSION SOLO
10. COOKING WITH WALTER
11. SO WHAT
EC. FUNKIN’ FOR JAMAICA

INDEX