2018 9.6 thu., 9.7 fri., 9.8 sat., 9.9 sun.
STEVE GADD BAND JAPAN TOUR 2018 featuring MICHAEL LANDAU, KEVIN HAYS, JIMMY JOHNSON & WALT FOWLER
artist MICHAEL LANDAU , STEVE GADD
原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO
ドラム界の頂点に立つカリスマが、今年も気心の知れた仲間たちと日本に来てくれました。スティーヴ・ガッド・バンド、まさしく貫録のパフォーマンスです。
メンバーは前回来日時と同じく、ウォルト・フォウラー(フリューゲルホーン、トランペット)、マイケル・ランドウ(ギター)、ジミー・ジョンソン(ベース)、ケヴィン・ヘイズ(フェンダー・ローズ、アコースティック・ピアノ、ヴォーカル)という面々。全員が超売れっ子であり、スケジュールを合わせるのもひと苦労だと思いますが、ステージ上の彼らは何十年も毎日共演してきたかのように息を合わせ、本当に楽しそうに演奏に没頭します。レパートリーからカヴァー曲が減り、メンバー書き下ろしによるナンバーが増えたのも、この5人が生み出す"バンド感"の高まりに貢献しているのは間違いないことでしょう。
レパートリーはジミーの書いた「Norma's Girl」、ケヴィンがフェンダー・ローズを弾き語る「Spring Song」、カウベルを活用したガッドのドラム・ワークが光り輝く「One Point Five」など、3年ぶりのスタジオ・レコーディングにあたる最新作『Steve Gadd Band』からの楽曲を軸に、これまでの人気曲も交えたバランスの良い仕上がり。個人的には、結成当初からのレパートリー「Green Foam」が聴けたのも嬉しかったです。というのも、この曲ではいつもマイケルのギターが大きくフィーチャーされて、まるでブルースとジャズとロックのいいとこどりをしたような、かっこよさ満載の熱いソロを聴かせてくれるからです。アーミングやチョーキングの導入、巧みなトーン・コントロールから紡ぎ出されるプレイは、まるで人間がすすり泣いているかのよう。この"泣き"のフレーズにガッドの重量級ドラムが呼応し、観客の興奮はいやがおうにも高まるというわけです。
それにしてもガッドの叩きっぷりは華やかで鮮やかです。メロディ・ラインをそっと引き立てるソフトなプレイから、ソリストを容赦なく煽る火の出るようなスティックさばきまで、音量の幅は驚異的な広さを持ち、しかも音の粒立ちがいかなるときも際立っています。このバンドのライヴは9日まで休みなしで続きますが、さらに嬉しいことに、ガッドは22日と23日に行なわれる桑原あいの公演にもウィル・リーと共に参加します。つまり今月はブルーノート東京で2種類のフォーマットによるガッドが味わえる「ガッド・マンス」なのです。無論どちらの公演も必見必聴、73歳になろうとする現在もなおストロングなガッドの至芸に、思いっきり爽快な気分になっていただけたらと思います。
(原田 2018 9.7)
Photo by Yuka Yamaji
2018 9.6 thu.
1st | |
---|---|
1. | WHERE'S EARTH? |
2. | I KNOW, BUT TELL ME AGAIN |
3. | THE LONG WAY HOME |
4. | GREEN FOAM |
5. | ONE POINT FIVE |
6. | AUCKLAND BY NUMBERS |
7. | WAY BACK HOME |
8. | DUKE'S ANTHEM |
9. | THE WIND UP |
EC. | WATCHING THE RIVER FLOW |
2nd | |
1. | WHERE'S EARTH? |
2. | I KNOW, BUT TELL ME AGAIN |
3. | CAVALIERO |
4. | GREEN FOAM |
5. | ONE POINT FIVE |
6. | NORMA'S GIRL |
7. | OH, YEAH! |
8. | SPRING SONG |
9. | SLY BOOTS |
EC. | BLUES FOR... |