2018 9.17 mon., 9.18 tue., 9.19 wed.
SLY & ROBBIE meet NILS PETTER MOLVAER featuring EIVIND AARSET & VLADISLAV DELAY
artist NILS PETTER MOLVAER , SLY & ROBBIE
原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO
ジャマイカの重鎮チームと、北欧の鬼才が東京で相まみえました。スライ・ダンバー、ロビー・シェイクスピア、ニルス・ペッター・モルヴェル、アイヴィン・オールセット、ヴラディスラフ・ディレイが一堂に会し、すさまじい化学反応を起こしています。8月22日に共演作『NORDUB(ノルダブ)』が国内リリースされて1か月、これ以上ないタイミングで実現した来日ステージといっていいでしょう。
スライ&ロビーは"アンド・ザ・タクシー・ギャング"やモンティ・アレキサンダーとの共演などでもブルーノート東京に登場してきましたが、意外なことにニルス、アイヴィン、ヴラディスラフの出演は今回が初めてだそうです。ニルスの初ソロ・アルバム『Khmer』がECMレーベルから出たのは1997年のことなので、いささか遅きに失した感がありますが、エフェクターを通した変幻自在の音色にはますます磨きがかかり、コンタクト・マイクとスタンド・マイクの効果をそれぞれ生かしながら、イマジネーションに富んだプレイで魅了してくれました。
曲目はもちろん『NORDUB』からのものが中心。チューニングが高めのスライのドラムスに、ロビーの地を這うような重低音ベースが絡み、ヴラディスラフがパーカッションを操りながら"卓"を操作してリアルタイムでサウンドに変化を加えていきます。アルバム同様「If I Gave You My Love」で始まり、ロビーの歌声がフィーチャーされた「How Long」ではアタックを消したアイヴィンのギターが霧笛のごとき響きを生み出します。3拍目に強いアクセントが来る「Norwegian Sword Fish」のあとは、個人的には初日ファースト・セットのクライマックスと呼びたい「Was In The Blues」へ。ベースのヘヴィーなイントロ、絞り出すようなロビーの歌に聴きほれていると、やがてバンド全体の響きが激しくなり、ニルスの吹奏が「ここしかない」というタイミングで飛び出します。エフェクターのかかったトランペットのトーンは、まるで複数のバグパイプが時間差で鳴り響いているかのようでした。
2015年に初共演する前からお互いにファンだったというスライ&ロビーとニルス。彼らのライヴは、ジャズ・ファン、レゲエ・ファンはもちろん、刺激的な音楽を求めてやまない貪欲なリスナーを徹底的に満足させることでしょう。公演は19日まで続きます。
(原田 2018 9.18)
Photo by Great The Kabukicho
2018 9.17 MON.
1st & 2nd | |
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1. | IF I GAVE YOU MY LOVE |
2. | STRANGE BRIGHT CROWD |
3. | HOW LONG |
4. | NORWEGIAN SWORD FISH |
5. | WAS IN THE BLUES |
6. | BACK PAIN |
7. | SATTA MASSAGANA |
8. | UNMETERED TAXI |
EC. | NO, NO, NO |