2018.09.30
JING CHI featuring ROBBEN FORD, JIMMY HASLIP, VINNIE COLAIUTA & LARRY GOLDINGS
artist JING CHI , ROBBEN FORD , VINNIE COLAIUTA
原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO
火花の散るようなインプロヴィゼーション、タイト極まりないアンサンブル、ブルースやロックやジャズへの深い愛情・・・スーパー・ミュージシャンばかりが集まったスーパー・グループ"ジン・チ"(中国語でVital Energyという意味)が昨日から熱演を繰り広げています。彼らの来日はなんと、2004年以来14年ぶり。大好評の最新作『スプリーモ』を携えてのライヴは、このグループが絶えぬ進化を続けていることを改めて示してくれます。
ステージはロベン・フォード、ジミー・ハスリップ、ヴィニー・カリウタという不動の顔ぶれに、ラリー・ゴールディングスが加わった4人編成で行なわれました。ラリーは'90年代初頭に頭角を現し、メイシオ・パーカー、ジョン・スコフィールド、ジェームズ・テイラー、スティーヴ・ガッド等のバンドで活動をしてきた名手。ピアニストとしても高く評価されていますが、ここではオルガンとシンセサイザーを手がけます。彼のニュアンスに富んだソロやバッキングも、バンド・パフォーマンスの充実に大きく貢献していました。
オープニングは2002年のファースト・アルバム『Jing Chi』から「Man in the Ring」。冒頭のフレーズから4人の息はぴったりと合い、地を這うようなベースと畳みかけるようなドラムスがソリストを鼓舞します。続いては来月下旬にリリースされるロベンの新作『Purple House』から「What I Haven't Done」。ロベンはヴォーカルとギターでファンを喜ばせ、ジミー、ヴィニー、ラリーも充実そのもののソロを披露、『スプリーモ』からの「Showtime」へつなげます。オルガンとシンセサイザーの両方を駆使するラリー、ギターとベースの超絶ユニゾンに耳を奪われました。サード・アルバム『3D』(2004年)から「Blues Alley」が聴けたのも個人的な収穫でした。抑えに抑えたヴィニーのブラッシュ・ワークと、さまざまな音色を用いてニュアンス豊かに弾きまくるロベンが綴る"音の会話"に、酔いしれるしかありません。
客席は幅広い年齢層のファンで超満員です。おそらく相当数、楽器経験者がいらっしゃったことでしょう。ため息が出るほど卓越したテクニック、あふれんばかりのエモーションを、至近距離で見聴きできるのは本当に得難いものです。エナジーたっぷりのパフォーマンスは10月2日まで休みなしで続きます。
(原田 2018 9.30)
Photo by Tsuneo Koga
2018 9.29 SAT.
1st | |
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1. | AT THE APOLLO |
2. | CRAZY HOUSE |
3. | WHAT I HAVEN’T DONE |
4. | SHOWTIME |
5. | CASABLANCA |
6. | BETTER TIMES |
7. | GO FIGURE |
EC. | VEGAS |
2nd | |
1. | MAN IN THE RING |
2. | WHAT I HAVEN’T DONE |
3. | SHOWTIME |
4. | BLUES ALLEY |
5. | BETTER TIMES |
6. | GO FIGURE |
EC. | CRAZY HOUSE |