2018.10.06
OMAR SOSA & YILIAN CAÑIZARES 'AGUAS Trio' featuring GUSTAVO OVALLES
artist OMAR SOSA , YILIAN CAÑIZARES
原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO
前衛的なところと親しみやすさ、土着的なところとスタイリッシュなところ、荘厳なところとダンサブルなところを兼ね備えているのがオマール・ソーサの音楽です。ぼくは彼のステージに接すると、ライブ会場にいながらにして壮大な旅に出ているような気分になります。今回は気鋭女性ヴァイオリン奏者/ヴォーカリストのジィリアン・カニサーレス、オマールとは数十年来の盟友である打楽器奏者グスターボ・オバージェスとの"アグアス・トリオ"による公演。8月に国内リリースされた最新アルバム『アグアス』(ここではイノール・ソトロンゴが打楽器を演奏しています)収録ナンバーがさらに発展・進化して、聴き手を釘付けにします。
オマールはアコースティック・ピアノのほか2台のエレクトリック・キーボードもあやつり(右手で生ピアノを弾き、左手でシンセのベース・ラインを奏でるパートも絶品でした)、ジィリアンは声量豊かな歌唱、ヴァイオリンを弾きながらのスキャット・ユニゾンでも輝きを放ちます。弓だけではなく指でも奏で(ピチカート奏法)、それがまた実にリズミカルな効果を付け加えていました。グスターボは西アフリカのヨルバ族発祥というバタ・ドラムを軸に、ボンゴ、シンバル、ハイハット、マラカス、カウベル等を使い分けながら、打ち寄せる波のような律動を送り込みました。
オマールとジィリアンの母国、キューバへの思いをこめたスロー・ナンバー「De La Habana y Otras Nostalgias」では狂おしいまでのピアノと歌の呼応が繰り広げられ、後半のリフレイン部分では客席から合唱も巻き起こりました。続く「Sanzara」はオマールのハンドクラップから始まり、ブラジルのバイヨン風の快いビートの中、三者が気持ちよさそうに音の会話を交わします。ほかにもアルバムからの楽曲をたっぷり聴かせてくれましたが、簡潔にまとめられていたスタジオ・テイクとは一味異なる、これでもかと歌い、演奏するパフォーマンスに、ぼくはライブの醍醐味を感じてやみませんでした。
約90分に及ぶステージは、多大なカタルシスと深い余韻をもたらしてくれること間違いなし。公演は本日も行なわれます。ぜひ、3人の音空間に飲み込まれてください!
(原田 2017 10.7)
Photo by Great The Kabukicho
2018 10.6 SAT.
1st | |
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1. | CUANDRO DE CASA |
2. | DOS BENDICIONES |
3. | DUO DE AGUAS |
4. | O LE LE |
5. | DE LA HABANA Y OTRAS NOSTALGIAS |
6. | SANZARA |
7. | OSHUN |
8. | D2 DE AFRICA |
EC. | EL CHURRERO |
2nd | |
1. | CUANDRO DE CASA |
2. | DOS BENDICIONES |
3. | DUO DE AGUAS |
4. | DE LA HABANA Y OTRAS NOSTALGIAS |
5. | SANZARA |
6. | OSHUN |
7. | D2 DE AFRICA |
EC. | MIS TRES NOTAS |