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PJ MORTON

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原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO

キーボード、ヴォーカル、ソングライティング、すべてが黄金の輝き。超人気ユニット=マルーン5の一員であり、BJザ・シカゴ・キッドやロバート・グラスパーやインディア・アリーとも交流し、2017年のソロ・アルバム『Gumbo』がグラミー賞の2部門にノミネート・・・と華やかな話題を提供するPJモートンが遂に自身のプロジェクトで来日を果たしました。来年2月にはマルーン5による東京ドーム公演も決定していますが、ニュアンスに富んだ歌声やキーボード・タッチが至近距離で楽しめるのは「ブルーノート東京」のライヴならではの特典です。

いまやトレードマークとなった感のある暖かそうな帽子をかぶって、実にカジュアルな感じでモートンはステージにあがりました。この"ついフラッと立ち寄っただけ"的な飾り気のなさも魅力ですが、一度鍵盤に向かうと才気があふれ出して止まりません。リズミカルでありつつメロウで、一本の芯が通っていて、しかも甘さや切ないところもあって、ゴスペルやR&Bやレゲエへのリスペクトもしっかり盛り込みながらの、ドライヴ感あふれるステージです。サポート・メンバーもさすがモートンが選んだだけあってハイセンスなミュージシャンばかり。ステージはほとんど、曲間のないメドレー形式で行なわれたのですが、モートンが別にキューを出すわけではないのに、バンドが一丸となって見事なタイミングで次の曲に移っていきます。なんて超絶的に息が合っているのかと、ぼくは半ば口をあんぐりしたまま公演を楽しみました。バック・コーラスのシェーナ・ベリーとジャキヤ・ウィリアムズのハーモニーも絶品でした。モートンは時おりメロディを即興的に軽く崩して歌うのですが、そんなときでもピッタリとハモリをつけていくのですから驚異的です。

演目は『Gumbo』からの「Religion」「Go Thru Your Phone」「Everything's Gonna Be Alright」「How Deep Is Your Love」(ビー・ジーズのカヴァー)、さらにスティーヴィー・ワンダーとのコラボでも話題を集めた「Only One」、シカゴのヴォーカル・グループ=シャイ・ライツの名曲「Have You Seen Her」等。先ほど申し上げたようにほとんどのナンバーが連続でプレイされるので、まるで壮大な組曲を浴びているような気分になっていきます。それだけに全曲終了したときに訪れるカタルシスは格別といえましょう。

公演は本日も開催されます。折りしも、ジョン・クリアリーも別のヴェニュー出演のため来日中です。ニューオリンズ生まれのモートン、英国出身ですがニューオリンズを拠点とするクリアリーと、今の音楽界を確実に面白くしているふたりの鍵盤奏者が同時期にこの国に滞在しているのは嬉しすぎる偶然といえましょう。

(原田 2018 10.20)

Photo by Tsuneo Koga

SET LIST

2018 10.19 FRI.
1st
1. RELIGION
2. HAVE YOU SEEN HER
3. SUPERSTAR
4. CLAUSTROPHOBIC
5. STICKING TO MY SUNS
6. ONLY ONE
7. I WANT YOU BACK
8. DON’T EVER LEAVE
9. IS THIS LOVE
10. LOVE YOU MORE
11. FIRST BEGAN
12. GO THRU YOUR PHONE
13. HOW DEEP IS YOUR LOVE
14. THEY GONNA WANNA COME
15. ALRIGHT
16. EVERYTHING’S GONNA BE ALRIGHT
17. MOUNTAINS AND MOLEHILLS
 
2nd
1. RELIGION
2. HAVE YOU SEEN HER
3. SUPERSTAR
4. CLAUSTROPHOBIC
5. STICKING TO MY SUNS
6. ONLY ONE
7. I WANT YOU BACK
8. DON’T EVER LEAVE
9. IS THIS LOVE
10. LOVE YOU MORE
11. FIRST BEGAN
12. GO THRU YOUR PHONE
13. HOW DEEP IS YOUR LOVE
EC1. THEY GONNA WANNA COME
EC2. ALRIGHT
EC3. EVERYTHING’S GONNA BE ALRIGHT

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