2018 10.22 mon., 10.23 tue.
ARTO LINDSAY
artist ARTO LINDSAY
原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO
柔らかな歌声+猛獣の咆哮のような12弦エレクトリック・ギターのコンビネーションは、まさしく唯一無二です。鬼才アート・リンゼイ("リンジー"のほうが実際の発音に近いようです)が、約3年半ぶりにブルーノート東京に出演しています。
この前日には恵比寿ガーデンホールで行なわれた「ピーター・バラカン・ライヴ・マジック!」にキーボードのポール・ウィルソンと共に登場して快演を繰り広げたばかりですが、ブルーノート東京公演ではさらに百戦錬磨のメルヴィン・ギブス(ベース)、気鋭カッサ・オーヴァーオール(ドラムス)が加わります。カッサは"ジョン・コルトレーンのスピリチュアル・ジャズとブレインフィーダー・レーベルのビート・サイエンスが同居している"とも評される才人。スティックの持ち方、ちょっと湿り気のあるバスドラの音色、波が打ち寄せてくるようなマーチング・リズム等に、ぼくはスティーヴ・ガッドの叩きっぷりを思い出しました。メルヴィンの大きな存在感については、もういうことはないでしょう。アートは、いわゆるギタリストらしいギター演奏をしません。それもあってかメルヴィンは時に高音を使って非常にメロディアスな単音ソロをとり、主役の"爆音・弦切り刻み"と美しいコントラストを描きます。ポールのキーボードは特にフェンダー・ローズ系の音色が絶品。先日のPJモートン公演でこの楽器の魅力に惚れ込んでしまったファンにとって、とくにポールの鍵盤さばきは大変な聴きどころになるはずです。
曲目は「Grain By Grain」、「Vao Queimar Ou Botando Pra Dancar」、「Seu Pai」、「Each To Each」など13年ぶりの最新オリジナル・アルバム『ケアフル・マダム』からのものが中心。アルバムを聴いてから会場にやってきたファンは曲の進化と発展に嬉しくなり、まだアルバムを聴いていない方は盤の形でもこうしたナンバーを所有したくなることでしょう。ブラジリアン・テイストを湛えつつも、テクノ調やレゲエ調あり、そしてもちろんノイジーな要素もたっぷりありと、現在のアート・リンゼイ及び彼のバンドの充実ぶりをたっぷり味わわせてくれる一夜でした。ライヴは本日も開催されます。
(原田 2018 10.23)
Photo by Makoto Ebi
2018 10.22 MON.
1st | |
---|---|
1. | PRIZE |
2. | GRAIN BY GRAIN |
3. | DECK |
4. | VÃO QUEIMAR OU BOTANDO PRA DANÇAR |
5. | INVOKE |
6. | SEU PAI |
7. | ILLUMINATED |
8. | EACH TO EACH |
9. | ILHA DOS PRAZERES |
10. | COMBUSTÍVEL |
EC. | SIMPLY ARE |
2nd | |
1. | PRIZE |
2. | GRAIN BY GRAIN |
3. | DECK |
4. | VÃO QUEIMAR OU BOTANDO PRA DANÇAR |
5. | INVOKE |
6. | SEU PAI |
7. | UNPAIR |
8. | TANGLES |
9. | ILLUMINATED |
10. | EACH TO EACH |
11. | COMBUSTÍVEL |
EC. | SIMPLY ARE |