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RICHARD BONA

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原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO


音楽界のトップランナー、リチャード・ボナが今年もパワー全開のプレイをブルーノート東京に響かせています。ここしばらくアフリカン+キューバン・プロジェクト"マンデカン・クバーノ"での公演が続いていた印象がありますが、今回は別ユニットで、超絶的なベース・プレイと暖かなヴォーカルを存分に楽しませてくれます。サウンドにはフュージョン色もたっぷりあり、ぼくは人気ライヴ・アルバム『Bona Makes You Sweat』の2018年版という感触も受けました。

共演メンバーは今回が初来日となるイタリア出身のシロ・マナ(ギター)、フランス出身のミカエル・ルコック(キーボード)、やはりフランス出身で先日26歳になったばかりのアーチバルト・リゴニエール(ドラムス)、そしてマンデカン・クバーノのメンバーでもあるデニス・エルナンデス(トランペット)。マンデカン~ではアコースティック・ピアノが重用されていたので、シンセサイザーの響きがことのほか印象に残ります。ホーン・セクションの音をデニスのトランペットとダブらせてアンサンブルに更なる厚みを生み出したり、ボナの超高速ベース・ラインのバックでジョー・ザヴィヌルばりの合いの手を入れたり、ミカエルの手腕にも注目しながら、ぜひ公演を楽しんでいただけたらと思います。

"ファスト・ヴァージョンでお送りするよ"という前置きから始まったジャコ・パストリアス作「Teen Town」は、ウェザー・リポートのオリジナル・ヴァージョンはもちろん、これまでボナが披露してきたどの同曲よりもアップ・テンポな仕上がり。アーチバルトのパワフルなドラム・ソロから、一気呵成にテーマ・メロディに流れ込みます。あの特徴的なユニゾン部分はトランペット+ギター+ベースで少しの乱れもなく奏され、しかもボナはそのフレーズの間を、とんでもなく細かい音符を敷き詰めながら埋めていくのです! ヴォーカリストとしても不動の評価を得るボナですが、ベーシストとしての凄みも増すばかり。"今回の公演は特に、ベース好き必見ではないか"と思いながら彼の重低音に聴き入りました。

もちろんユーモアたっぷりのMCも健在(来日するごとに新たな日本語を覚えていくようです)、ボナなりのロック・ナンバー「Diba La Bobe」では客席から自然に手拍子が巻き起こり、チューニングをガンガン取り入れたシロのギターがここぞとばかりに奔放なプレイを展開しました。公演は11日まで連続で開催、毎回白熱のプレイが味わえることでしょう!
(原田 2018 11.9)
Photo by Makoto Ebi

SET LIST

2018 11.8 THU.
1st
1. KALABANCORO
2. TE MISEA
3. PLEASE DON'T STOP
4. DREAMLAND
5. SHIVA MANTRA
6. TEEN TOWN
7. EYANDO
8. TUMBA LA NYAMA
EC. DIBA LA BOBE
 
2nd
1. KALABANCORO
2. TE MISEA
3. PLEASE DON'T STOP
4. DREAMLAND
5. SHIVA MANTRA
6. TEEN TOWN
7. EYANDO
8. TUMBA LA NYAMA
EC1. DIBA LA BOBE
EC2. IMPROVISATION

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