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Blue Note Tokyo 30th Anniversary presents CANDY DULFER

artist CANDY DULFER

REPORT

原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO


乗りに乗る"ファンキー・サックスの女王"が、ことしもブルーノート東京に帰ってきてくれました。今月の23日まで続くキャンディ・ダルファー、怒涛の5デイズ10セットの幕開けです。

まず先にメンバーがバンドスタンドにあがり、弾むようなビートに乗せてプレイを開始します。ヴォーカルのイヴァン・ペロティとカミロ・ロドリゲス、そしてキーボード兼ヴォーカルのジョーディ・カルフスヴェルが歌いながらキャンディを紹介、彼女は盛大に沸き起こる拍手のなか颯爽と現れました。他のミュージシャンは黒を基調としたコスチュームで渋くキメていましたが、キャンディはゴールド系のスーツを着込んで踊るようにアルト・サックスを吹きます。彼女がアクションたっぷりに演奏するたび、カラフルな照明がジャケットに当たってきらびやかな光を放ちます。

"これまで出会った最も偉大な音楽家のひとりがプリンスでした。この曲を彼に捧げます"という前置きから始まったのは、最新作『Together』からの「Out of Time」。プリンスはキャンディのソロ・デビュー前から彼女の才能を高く評価し、ライヴやレコーディングに彼女を起用してきました。イヴァンの暖かみのある歌声にキャンディの抑揚に富んだサックスが絡み、白熱するリズム・セクションがそれを鼓舞します。どこまで盛り上がっていくんだろうと思わせるほど盛り上げに盛り上げて、なのにラストでは突如スロー・ダウンして別世界へ連れて行く展開へと移るのですから痛快です。

"やはり偉大な音楽家、ユーリズミックスのデイヴ・スチュアートの曲です。17歳の頃から100万回演奏してきましたが、いつ演奏しても心と魂を動かされます。この曲は私のパスポート的なナンバー。この曲があったから私は世界で演奏できる幸運を得たんだと思います"というMCから始まったのは、彼女の出世曲となったバラード「Lily Was Here」。アルイェン・モイヤーの奏でる幻想的なシンセサイザーがイントロで鳴り渡り、後半ではキャンディ・バンドの番頭的存在であるウルコ・ベッドと、"女王"がエモーションをぶつけあうような壮絶な掛け合いで酔わせます。かと思えば、「Crazy」ではひたすらアッパーでダンサブルな世界をヴォーカリストたちと繰り広げました(キャンディ、イヴァン、カミロが一斉にピョンピョン跳ねるパートも圧巻です)。オーラスで演奏された「Pick Up the Pieces」はもちろんキャンディのライヴには欠かせない大定番のひとつですが、今回さらに新たなリフや展開が加わったように感じられました。場内を練り歩きながら吹奏するパートも含めて、どこまでこの曲、拡大していくのでしょうか。

"国籍、人種、信条、信教を飛び越えて、みんなと友達になりたいの。一緒にクレイジーに盛り上がりましょう"と語るキャンディ。エンタテインメント性あふれるフレンドリーな公演をお見逃しなく!
(原田 2018 11.20)


Photo by Takuo Sato

SET LIST

2018 11.19 MON.
1st
1. (INTRO) PREDICT
2. HOW IT’S DONE
3. OUT OF TIME
4. LILY WAS HERE
5. WHAT U DO
6. LOST & GONE
7. TOGETHER
8. PICK UP THE PIECES
 
2nd
1. (INTRO) PREDICT
2. HOW IT’S DONE
3. OUT OF TIME
4. LILY WAS HERE
5. WHAT U DO
6. LOST & GONE
7. TOGETHER
8. PICK UP THE PIECES
EC. SAX-A-GO-GO

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