2018 11.24 sat., 11.25 sun.
JUN MIYAKE
artist JUN MIYAKE
原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO
ヴィム・ヴェンダース監督「ピナ/踊り続けるいのち」でヨーロッパ映画賞のベスト・ドキュメンタリー賞を受賞し、リオ・オリンピックの閉会式では「君が代」のアレンジも担当したサウンド・クリエイター、三宅純。パリに拠点をおき、コスモポリタン的な活動を続ける彼が、2年ぶりにブルーノート東京で渾身のステージを繰り広げています。
向かって左からパーカッション、ギター、サックス、ベース等、後方に弦楽四重奏が並び、ステージ前方にはヴォーカル陣が立つステージ・レイアウトは前回と同じです。三宅は上手側に位置してキーボードを弾き、フリューゲルホーンでも実に味わい深いプレイを聴かせます。ぼくが観たファースト・セットはブルガリアのソフィアからやってきた"コズミック・ヴォイセズ"(3人の女性歌手+指揮者)のアカペラ「Undulation」に始まり、今回が初登場となるブルーノ・カピナン(ブラジル・バイーアに生まれ、カナダ・トロントで活躍)が官能的に歌い上げる「Alta Mare」、彼にかわってリサ・パピノーと勝沼恭子が存在感を放つ「Deciduous」等、昨年11月に国内リリースされた好評シリーズの完結編『ロスト・メモリー・シアター act-3』からのナンバーも見事でした。
管楽器、弦楽器、打楽器、鍵盤楽器、肉声の官能的な絡みあいは、"いつもとは違うどこか"へとリスナーを連れていくことでしょう。たくさんのパーカッションと戯れるようにプレイするゼー・ルイス・ナシメントの一挙一動にも目を見張らされました。右手でタブラを、左手でコンガを(ドラムスのスティックで)叩くパートで生み出されるリズムと音色はこのうえなく斬新です。弓弾きだけでなく指弾きも取り入れたストリングスの華麗な響きも冴えわたり、伊丹雅博(アコースティック・ギター、エレクトリック・ギター)、バカボン鈴木(アコースティック・ベース、エレクトリック・ベース)、アンディ・ベヴァン(バリトン・サックス、ソプラノ・サックス、フルート他)も次々と楽器を持ち替えながら彩り豊かなプレイを繰り広げました。ラストはミュージシャン総出による「Alviverde」。2008年のアルバム『Stolen from strangers』ではアート・リンゼイをフィーチャーして演じられた同曲が、一層の華やかさを増して目の前で奏でられます。
前回に引き続き、フィリップ・アヴリルやzAkがPAを担当。この独創的な楽器編成・オーケストレーションによる世界を客席に届けるうえで、彼らの功績はあまりにも絶大です。メリハリに富んだ照明も圧巻で、ぼくは全身で味わう音楽体験を満喫しました。公演は本日まで!
(原田 2018 11.25)
Photo by Makoto Ebi
2018 11.24 SAT.
1st | |
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1. | UNDULATION |
2. | ALTA MARE |
3. | DECIDUOUS |
4. | PONTUAL |
5. | OUTLIER |
6. | ETUME |
7. | BRE PETRUNKO 12 |
8. | EASTURN |
9. | EASY TO LET GO |
10. | TRES LIVE |
11. | THE HERE AND AFTER |
12. | MERRY WINDOW |
13. | FLUTTER |
14. | CORONATION |
15. | LE VOYAGEUR SOLITAIRE | EC. | ALVIVERDE |
2nd | |
1. | ASSIMERERICA |
2. | THE WORLD I KNOW |
3. | ABSHANA |
4. | WHITE ROSE |
5. | RED SHADOW |
6. | OLHOS ESCUROS |
7. | EXIBIDA |
8. | COLORS |
9. | ZED FATE |
10. | SEDNATO DJORE |
11. | STILL LIFE |
12. | FROZEN TIDE |
13. | ALL NAMES |
14. | A LUA PELA GRADE |
15. | A DISTANT ROAD |
16. | EST-CE QUE TU PEUX ME VOIR? |
17. | PETAL |
EC1. | A WISH AWAY |
EC2. | ALVIVERDE |