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TONY ALLEN SEXTET "A Tribute To Art Blakey & The Jazz Messengers"

artist TONY ALLEN

REPORT

原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO


1968年から79年にかけてフェラ・クティのバンド(クーラ・ロビトス、アフリカ'70)に在籍。アフロビートの実質的な創始者のひとりであり、近年もアート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャーズへのトリビュート・アルバム(10インチLPで発売)、ジェフ・ミルズとのコラボレーションなど、あっと驚く活動を繰り広げているベテラン・ドラマーがトニー・アレンです。そのレジェンド中のレジェンドが、リーダーとしてついにブルーノート東京に登場を果たしました。
1940年、ナイジェリアのラゴス生まれ。18歳からドラムスを始め、ハイライフやジュジュといった音楽に魅了されるいっぽうで、マックス・ローチやアート・ブレイキーなどアメリカのジャズ・ドラマーのプレイにも熱心に耳を傾けました。今回のセットリストは、創立80周年を迎えたブルーノート・レ―ベル(トニーはフランス支社と契約しています)からの近作『A Tribute To Art Blakey & The Jazz Messengers』、デーモン・アルバーンのゲスト参加も話題を集めた『The Source』からのナンバーで構成。両作品で快演しているトランペッターのニコラス・ジロー、ピアノ&キーボードのジャン・フィリップ・ダリーなど気鋭たちのアドリブを、トニーはワン&オンリーのプレイで煽ります。「A Night In Tunisia」や「Politely」といったブレイキーゆかりのナンバーも演奏されましたが、彼のように偶数拍でハイハットを踏み、右手で流れるようなシンバル・レガートを打ち、左手で合いの手を入れるといった奏法はしません。トニーはリズム・キープを行なうというよりも、ソリストに絡み合うようにメロディアスにシンバルやタムを鳴らしていくのです。「A Night In Tunisia」(1コーラスがAABA形式の32小節)のアドリブ・パートでは一度もサビ(ブリッジ)に行かず、Aの部分をひたすら繰り返すというユニークなアレンジが施されていました。

もちろん、「Woro Dance」「Cool Cats」など後半に連発された『The Source』からのナンバーでは、アフロビートに直結するサウンド作りもしっかり披露。公演は本日も行なわれますが、さらに熱く、パワフルなサウンドが期待できそうです。ザ・レジェンド、トニー・アレンの雄姿をぜひごらんください。
(原田 2019 1.24)
Photo by Great The Kabukicho

SET LIST

2019 1.23 WED.
  
1st
1. BAD ROADS
2. POLITELY
3. ON FIRE
4. NIGHT IN TUNISIA
5. WORO DANCE
6. CRUISING
EC. COOL CATS
 
2nd
1. BAD ROADS
2. POLITELY
3. ON FIRE
4. NIGHT IN TUNISIA
5. WOLF EATS WOLF
6. CRUISING
EC. COOL CATS

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