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MARI NATSUKI "MARI de MODE 3"

artist 夏木マリ

REPORT

原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO

ジャジーでシアトリカルな世界が、3年連続で「ブルーノート東京」に広がっています。歌手・俳優・声優としてジャンルレスな活動を続ける夏木マリの好評公演『MARI NATSUKI"MARI de MODE3"』が昨日から開催中です。

バンド・メンバーは、天野清継(ギター)、久米大作(ピアノ、キーボード)、竹上良成(サックス、フルート)、川崎哲平(ベース)、山内陽一朗(ドラムス)、斉藤ノヴ(パーカッション)。ステージには先にこの名手たちが登場し、ジャジーなインストゥルメンタル曲を奏でながら主役を迎えます。夏木マリは港にちなんだ「港のマリー」、「かもめ」を続けて颯爽と歌い、MCへ。歌っているときのかっこよさとトークのときの親しみやすさ、そのコントラストも実に魅力的です。"久しぶりのラグジュアリーな夜です。気持ちのいい夜を皆さんとご一緒できたら"という声に応えるように、超満員の客席からは大きな拍手が沸き起こります。

「ミュージシャン」、メンバー全員のソロをフィーチャーした「セロニアス・モンク」、男性から特に人気のある曲だという「二の腕」など"夏木マリ流ジャズ"と呼びたくなるナンバーを続けた後、中盤では"映画にちなんだ曲"として「Over the Rainbow」「ケ・セラ・セラ」「アラバマソング」を英語で歌唱。ブルース・ロック風にアレンジされた「ケ・セラ・セラ」では天野のエレクトリック・ギターも炸裂し、エンディングに登場した夏木マリのシャウトも圧巻でした。さらに2008年のカヴァー・アルバム『THE HIT PARADE』から「スーダラ節」「月影のナポリ」をグルーヴィーに歌唱、盛り上げに盛り上げて本編を終了しました。

そしてオーラスでは、この日(1月26日)配信リリースされたばかりの「Co・ro・na」と「私を生きて」を披露。夏木マリみずから、敬愛する大沢伸一にプロデュースと作曲を依頼した意欲作です(作詞は、前者が東京スカパラダイスオーケストラの谷中敦、後者がUA)。"私の音楽史上、いちばん攻めてる曲だと思います"という言葉に偽りなしの音楽世界。2019年も歌手・夏木マリの意欲は高まるばかりです。

歌唱、表情、着こなし、MC、楽曲の充実、バンドの名伴奏など、あらゆる面が見逃せず、聴き逃せない"MARI de MODE3"公演。ワン&オンリーの旨みを、ぜひご賞味ください。

(原田 2019 1.27)

Photo by Yuka Yamaji

SET LIST

2019 1.26 SAT.
1. 港のマリー
2. かもめ
3. ミュージシャン
4. セロニアス・モンク
5. いちばん好きなもの
6. ゴリラ
7. 二の腕
8. むかし私が愛した人
9. 私のすべて
10. Over the Rainbow
11. ケセラセラ
12. アラバマソング
13. 鎮静剤
14. 私は私よ
15. スーダラ節
16. 月影のナポリ
EC1. Co・ro・na
EC2. 私を生きて

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