2019 3.11 mon., 3.12 tue.
RC & THE GRITZ
artist RC & The Gritz
原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO
エンダンビ、ボビー・セッションズ、カーメン・ロジャース、アンバー・ブロック等とのコラボを含むニュー・アルバム『アナログ・ワールド』が3月8日に国内発売されたばかり。絶好のタイミングで、テキサス州ダラスが誇る精鋭集団、RC&ザ・グリッツが再登場を果たしました。リーダーはもちろん、エリカ・バドゥの音楽監督としても功績を残すキーボード・プレイヤーのRC・ウィリアムズです。
プログラムは「Thickness」、「Fallin' In Love」、「3AM」、「Agitation」などニュー・アルバムからのものが中心。ジャズ、ファンク、ソウルの"かっこいいところどり"と呼びたくなるようなサウンドはとにかく躍動的で、より楽器のソロ(即興)パートが多いのはライヴならではの魅力といっていいでしょう。編成は前回と同じくギターレスですが、RCの左手が奏でるコードが超強力なこと、5弦ベースのブレイロン・レイシーがダブル・ストップ(重音)も用いて強烈なうねりをまき散らすこともあいまって、そのサウンドは尋常ではない厚みを持ちます。前回も渾身のサックス・ブロウを聴かせてくれたジョナサン・モーンズは加えてフルートにも魅力を発揮し、新参加となる田中一徳(名門ノース・テキサス大学"Lab Band"の一員でもあります)も高音域を駆使した伸びやかなトランペット・ソロを披露。リズムの核に位置するクリオン・エドワーズは、小型のバスドラを勢いよく踏み込んだり、あえてサスティーンを消したようなシンバルを叩きながら、"グルーヴのシーツ"というべきバックグラウンドをバンドに提供します。
ヴォーカル・パートは、紅一点だったクラウディア・メルトンに替わり、デュランド・バーナーが担当。滑らかさと力強さのコントラストに富み、RCのサイド・ヴォーカルとの重なりも絶品です。途中では彼以外のメンバーがバンドスタンドからおりて、ソロでキーボードの弾き語りを聴かせるコーナーもありましたが、そこで聴かせてくれたのは2016年のソロ作『Sound Check』からの「Search Party」。音源はかなり作り込んだ感がしたのですが、この夜は、曲の"核"をそのまま送り届けるようなシンプルそのもののパフォーマンスで魅了しました。
「一度乗り出したら止まらない。そんなひとたちなんだろうな」と確信させるに足る、RC&ザ・グリッツのステージ。"グリッツ"といえばソウル・フードの名前でもありますが、あのコッテリした味わいは十分、音にも生かされていると個人的には思っています。エリカのファンはもちろん、RHファクターのファンにも絶対にお勧めですし、いや、もっと昔からの、たとえばアーネット・コブやデイヴィッド・ニューマンやクルセイダーズの面々が健在だった頃のテキサス・サウンドを愛するファンが聴いてもニコニコしてしまうのではないでしょうか。本日も熱狂的な公演になること間違いなし!
(原田 2019 3.12)
Photo by Makoto Ebi
2019 3.11 MON.
1st | |
---|---|
1. | GRITZ INTERLUDE |
2. | THICKNESS |
3. | FALLIN' IN LOVE |
4. | 3AM |
5. | LAVENDER LEMONADE |
6. | AGITATION |
7. | DURAND -SOLO |
8. | JELLY ROLL |
9. | LEAVE ME ALONE |
EC1. | PLEASE DON’T STOP THE MUSIC |
EC2. | TIMES AWAISTIN |
EC3. | DILLATUNE |
EC4. | TUNE UP OUTRO |
2nd | |
1. | GRITZ INTERLUDE |
2. | RIHANNA REMIX |
3. | 3AM |
4. | THICKNESS |
5. | ARVOLES |
6. | AGITATION |
7. | DURAND -SOLO |
8. | DIRECTIONS |
9. | JELLY ROLL |
10. | LEAVE ME ALONE |
11. | I’D RATHER BE WITH YOU |
EC. | RED BORN |