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LEE RITENOUR

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原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO


「世界一大好きな場所に戻ってこれて、最高の気分だよ」という言葉から始まり、ステージを去る直前には笑顔で投げキッス。ギター・ヒーロー、リー・リトナーが歓喜にあふれたステージを繰り広げています。大の親日家である彼は昨年も来日予定でした。しかし、直前に体調を崩してキャンセルになっていただけに、本当に嬉しい"日本のファンとの再会"です。

共演はチャカ・カーンやラリー・カールトンのサポートでも知られるドイツ生まれのキーボード奏者ジェシー・ミリナー、やはりチャカやロベン・フォードとの共演歴があるベース奏者メルヴィン・デイヴィス、13歳でレコーディング・デビューした息子のドラム奏者ウェスリー・リトナーという面々。オープニングはなんと、1976年リリースのデビュー・アルバム『ファースト・コース』収録ナンバーでシングル・カットもされた「A Little Bit Of This And A Little Bit Of That」。初心に戻った、というところでしょうか。リトナーはしばらく会えていなかった我が国のファンに改めて挨拶をするように、これでもかとソロを弾きまくり、キーボードのバックでは繊細なコード・カッティングをしっかり聴かせてくれました。

続いてはボブ・マーリーの代表曲「Get Up Stand Up」。リトナーは2001年にトリビュート作『ア・ツイスト・オブ・マーリー』を出したことがあります。この日のステージではメルヴィン・デイヴィスが渋い声でリフレインを歌い、観客からの合唱も巻き込む形でのパフォーマンス。リトナーは弾きながらウェスリーのほうに移動し、向かい合いながら熱演します。中盤では、このところの来日公演で必ずといっていいほど取り上げられているアントニオ・カルロス・ジョビン作「Stone Flower」も披露されました。毎回エレアコ・ギターに持ち替えて弾いていた印象が個人的にはあるのですが、この日はフルアコースティックのエレクトリック・ギターでプレイ。メルヴィンのつまびく7弦ベースの骨太な低音、ジェシーの柔らかなアコースティック・ピアノの響きに乗せて、リトナーはテーマ・メロディをしっとりと奏で、アドリブ・パートでは敬愛するウェス・モンゴメリー流のオクターヴ奏法も交えながら快演します。豊かなイマジネーション、正確無比なピッキングに聴きほれるばかりです。この「Stone Flower」はリトナーだけでなくカルロス・サンタナの愛奏曲でもありますが、ギタリストの創造意欲に強く訴えるものがあるのでしょう。

この4人による公演は15日まで続き、16日には「Six String Theory Competition-Winner's Circle-」(世界中から音楽の若き才能を発掘・育成することを目的とした、リトナー主宰のコンペティション)から各部門の優勝者が集うスペシャル・ライヴが開催されます。ギタリスト、プロデューサー、そして後進の育成と、精力的に活動するリトナーの雄姿を、ぜひごらんください。
(原田 2019 3.14)

Photo by Yuka Yamaji


●LEE RITENOUR
2019 3.13 wed., 3.14 thu., 3.15 fri. ブルーノート東京
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●LEE RITENOUR's SIX STRING THEORY COMPETITION
- Winners' Circle -
2019 3.16 sat. ブルーノート東京
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SET LIST

2019 3.13 WED.
1st
1. A LITTLE BIT OF THIS & A LITTLE BIT OF THAT
2. GET UP, STAND UP
3. SOARING
4. PEARL
5. STONE FLOWER
6. NIGHT RHYTHMS
 
2nd
1. GET UP, STAND UP
2. A LITTLE BIT OF THIS & A LITTLE BIT OF THAT
3. SOARING
4. PEARL
5. STONE FLOWER
6. OOH YEAH
7. NIGHT RHYTHMS
EC. WILD RICE

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