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SATORU SHIONOYA & HITOMI YAIDA "SHIONOYAIDA" Acoustic Live 2019

artist 塩谷哲 , 矢井田瞳

REPORT

原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO


ピアニスト・塩谷哲とシンガーソングライター・矢井田瞳のコラボレーション・デュオ"しおのやいだ"が「ブルーノート東京」に初登場、2日間4ステージにわたって快演を繰り広げました。

矢井田のデビュー当時から親交を深めてきたふたりですが、ツアーを行なうのは5年ぶり。下関、大阪、名古屋を経て、ついに千秋楽です。共演メンバーは藤堂昌彦(ヴァイオリン)、結城貴弘(チェロ)、井上陽介(ベース)。ジャズ、ラテン、室内楽などの味付けを加えながら、アコースティック編成による極上のポップスを届けてくれました。

オープニングの「Ring my bell」から5人の息はぴったりと合い、塩谷のピアノは矢井田のヴォーカルに寄り添うよう。ストリングスの響きはドラムの不在を忘れさせるほど力強く、いい意味で"空間を埋め尽くさない音作り"が、矢井田の綴る歌詞の一語一句を思いっきりクリアーに響かせます。個人的には「ねぇ」のアレンジも鳥肌ものでした。弓弾きと指弾きを混ぜたチェロのイントロが"これから何が始まるのだろう"という期待をかきたて、1コーラス目はヴォーカルと弓弾きストリングスの共演。矢井田の伸びやかな声とタイトなリズム感に聴きほれていると、2コーラス目から塩谷のピアノが入り、井上のベースが弓弾きから指弾きに転じ、俄然、躍動的になっていきます。コントラストを生かした塩谷の巧みなアレンジと、そこを見事に乗りこなし、歌いこなす矢井田の歌心に引き付けられました。

ほかにも矢井田の新曲「夜のため息」あり、ピアノのデュオによる「彼女の理由」あり、塩谷が音楽を担当しているNHK Eテレの番組「コレナンデ商会」からのナンバーを届けたりと、とにかく多彩。もちろん矢井田を一躍スターダムに押し上げたビッグ・ヒット「My Sweet Darlin'」も、ここぞという位置で聴かせてくれました。

「ヤイコ(矢井田)の曲のパッションやメッセージ性をこわさずに、新たな切り口から、この編成ならではのアレンジを施した」という塩谷の言葉通りのサウンド、そしてステージでした。2日間の公演はすべてレコーディングされており、後日ベスト・テイクがライヴ盤としてリリースされるとのことです。
(原田 2019 3.25)


Photo by Takuo Sato

SET LIST

2019 3.22 FRI.
1st
1. Ring my bell
2. ねえ
3. Over the distance
4. 地平線と君と僕
5. 秘密を守る歌
6. 心が砂漠になると
7. 夜のため息
8. 彼女の理由
9. I’m here saying noting
10. MOON
EC1. My Sweet Darlin’
EC2. 星の夜
 
2nd
1. Ring my bell
2. ねえ
3. Over the distance
4. 地平線と君と僕
5. 秘密を守る歌
6. 心が砂漠になると
7. 夜のため息
8. 硝子の少年
9. I’m here saying noting
10. MOON
EC1. 悲しみが吹いたとき
EC2. My Sweet Darlin’
EC3. 星の夜

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