2019 5.20 mon., 5.21 tue., 5.22 wed.
MATT BIANCO
artist MATT BIANCO
原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO
ファースト・アルバム『Whose Side Are You On?』(1984年)のリリースから、早35年。数々のメンバー変遷がありましたが、マット・ビアンコは今、創設者のひとりであるマーク・ライリーのソロ・ユニットとして活動を続けています。近作『グラヴィティ―』ではいっそうジャズ色を強めたサウンドで楽しませてくれましたが、ライヴ・パフォーマンスも、まるでハード・バップ~ファンキー・ジャズのダンサブルなところを抽出してアクを抜き、そこにヴォーカルを振りかけた感じ。1曲1曲が、とても心地よく響きます。
マーティン・ショウ、デイヴ・オ・ヒギンズ、ジェフ・ガスコイン、セバスチャン・デ・クロムらバック・メンバーの大半は17年に来日した時と変わりません。個人的にはミュートを効果的に使ったマーティンのトランペット・プレイが強く印象に残りました。ジェイミー・カラムのサポートでも知られるセバスチャンは"顔でも演奏する"タイプ。いろんな表情をしながら(ドラム・ソロでは片手で帽子を振り、もう片手でプレイするシーンもありました)、タテノリの4ビートやボサ・リズムを繰り出します。サイド・ヴォーカルのエリザベス・トロイはに関しては"とにかく、うまい"のひとこと。マークのスモーキーでハスキーな声とは対照的ともいえる膨らみのあるヴォイスの持ち主ですが、そのスタイルがまた、主役の歌唱を引き立てるのです。ピアノとフェンダー・ローズを演奏したロビン・アスプランドはこの日がマット・ビアンコとしての初パフォーマンスだったそうですが、鮮やかなタッチは今後、このグループのさらなる魅力となることでしょう。
近日リリース予定というEPからいち早く新曲を届け、さらに"これがなければマット・ビアンコじゃない"的大定番「Whose Side Are You on?」、「Yeh Yeh」、「Get Out of Your Lazy Bed」等もふんだんに織り込んでの、とことんスタイリッシュなひととき。もちろんマークのファッション・センスは抜群です。来日間近のニコラ・コンテや、再結成が決定したファイヴ・コーナーズ・クインテットのファンにもぜひ体験してもらいたいと思いました。公演は22日まで続きます。
(原田 2019 5.21)
Photo by Great The Kabukicho
2019 5.20 MON.
1st & 2nd | |
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1. | INVISIBLE |
2. | THAT’S LIFE |
3. | WHOSE SIDE ARE YOU ON |
4. | HEART IN CHAINS |
5. | DANCIN EASY |
6. | UNDER THE MOONLIGHT |
7. | HALF A MINUTE |
8. | PARADISE |
9. | MORE THAN I CAN BEAR |
10. | BEFORE IT’S TOO LATE |
11. | DON’T BLAME IT ON THAT GIRL |
12. | SUMMER IN THE CITY |
13. | YEAH YEAH |
EC. | GET OUT OF YOUR LAZY BED |