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The EXP Series #26 / ADELINE

artist ADELINE

REPORT

原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO

圧倒的な実力と華を持ち合わせたニュー・スター、アデュリーンがソロ・デビュー・アルバム『Adeline』を携えて遂に初来日しました。かつてUS3('90年代から活動するジャズ+ヒップホップ・ユニット)やエスコートで活動し、2018年に前述の作品を発表。「I'm Coming Out」の頃のダイアナ・ロスが現代の空気の中で蘇ったかのようなシャープ&クール&クリアーで伸びと張りのある歌声、しなやかで鮮やかなダンス、重厚なベース・プレイは、新規の音楽ファンにも、ディスコ黄金時代を知る音楽ファンにも、大歓迎してもらえるものと確信します。

バック・メンバーは"気心の知れた仲間たち"といったところでしょうか。アルバム・プロデュースを手がけたモーガン・ワイリー(アデュリーンはエスコートにいた頃、モーガンのいたミッドナイト・マジックと対バンし、親しくなったそうです)がキーボードを担当し、人気インディー・ロック・バンド"TV オン・ザ・レディオ"のジャリール・バントンが小気味よいギター・カッティングを聴かせます。そしてドラムスのジム・オルソーは、今どき珍しいほどの超シンプルなドラム・セットで小気味よいビートを刻みます。とくにスネア・ドラムの音の分厚さは強烈でした。尊敬するドラマーはクライド・スタブルフィールド、アル・ジャクソンJr.、ジガブー・モデリステというのですから、もう'60~'70年代のファンク・ミュージックが好きでたまらないに違いありません。彼らが演奏し始めて少し経った頃、アデュリーンが愛用のベースを抱えて登場。曲によってはベース・ラインをモーガンのシンセサイザー(NovationのBass Station II)に任せながら、「Illusions」、「Echo」、「Hi Life」、アルバムに先駆けてリリースされたシングル「Emeralds」などを時にはダンスしながら次々と聴かせてくれるばかりか、敬愛するエリカ・バドゥの「I Want You」もエモーショナルに歌唱。観客も思い思いに立ち上がってリズムをとり、アデュリーン自身が来日公演に向けて収録された告知映像で"パーティのようなライヴになるはず"と語っていた通りの、ひたすら楽しく躍動的なひとときを届けてくれました。

フランス・パリ生まれで現在はN.Y.ブルックリン在住のアデュリーン。今回の初来日公演を経て、彼女の世界はさらにグローバルに広がってゆくことでしょう。公演は本日も開催されます!


(原田 2019 5.27)


Photo by Tsuneo Koga

SET LIST

2019 4.26 SUN.
1st & 2nd
1. ILLUSIONS
2. ECHO
3. WORK OF ART
4. EMERALDS
5. COME & GO
6. TOP DOWN
7. MAGIC
8. I WANT YOU
9. HI LIFE
10. JAM Eb
11. BEFORE
12. AFTER BEFORE
EC. WHEN I’M ALONE

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