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MAKOTO OZONE featuring NO NAME HORSES

artist ERIC MIYASHIRO , 小曽根真

REPORT

小曽根真 featuring NO NAME HORSES が見せたビッグ・バンドとロックの新たな融合

まさに奇跡の一夜です。エリック・ミヤシロ、近藤和彦、中川英二郎らメンバー全員がソロ活動を展開し、国内外からの絶え間ない出演依頼を受ける凄腕のトップ・ミュージシャン。全員のスケジュールを確保するだけでも気の遠くなるような彼らを、世界的ピアニストの小曽根真がコンダクトしてゴージャスな音楽を展開させるスーパー・ビッグ・バンド"小曽根真featuring NO NAME HORSES"が、4年ぶりにブルーノート東京に帰って来てくれました。ホールは、この機会を逃してなるものかという思いで駆け付けたオーディエンスでぎっしり満員の盛況。その中で展開されたプログラムは、結成15周年を迎えた彼らが制作・発表を予定しているニュー・アルバムからのナンバー。オール新曲という意欲的なラインナップです。エリックがフリューゲルホーンで綴るリリシズム豊かなメロディを起点にしてドラマティックなアンサンブルが展開される「Rainbow」がオープニングを華やかに飾った後は、ブルージーなフレイズのコール&レスポンスがノスタルジックな世界を描き出す「Little Bird Blues」、幻想的なピアノと躍動感漲るホーン・セクションがカラフルなコントラストを見せる「12 Colors」という個性的な曲がホールを沸かせます。

初めて味わう新鮮なサウンドで存分に楽しませてくれた前半部でしたが、後半ではさらに新しいサウンドが待ち構えていました。"今夜はこれからうるさくなるよ!皆さん大丈夫?"という小曽根の軽妙なMCをきっかけにスタートしたステージ後半は、ビッグ・バンドとロックの融合。弱冠20歳ながら、既に"NAMM show 2019"をはじめとする数多くの海外パフォーマンスを経験、NO NAME HORSESの新作にも参加が予定されているロック・ギターのライジング・スター、山岸竜之介を迎えてのステージです。オルガンに移った小曽根、エレクトリック・ベースにシフトした中村健吾、そしてドラムの高橋信之介。3人が送り出すハードドライヴィングなビートと、エリックが率いる分厚いホーン・アンサンブルに山岸のノイジーなギターが絡み、サイケデリックな世界が現出されていく「You're My Heaven. You're My Hell」。そして、ファンク、スウィング、セカンドラインというさまざまなグルーヴが交錯する「Carrots or Bread」と、ヘヴィーなハード・ロックのリズムをバックにしたホーン奏者たちがホットなソロで覇を競った「Until We Vanish」。その熱い演奏がオーディエンスの万雷の歓声と手拍子を呼び起こし、ステージとホールが一体となったエキサイティングなフィナーレを演出しました。

ジャズ、クラシック、民族音楽などさまざまなジャンルと繋がりながら新たな方向と豊かな世界を示してきてくれた小曽根が、今回提示してくれたビッグ・バンドとロックの融合。今日聴かせてくれた楽曲の数々が、次の新アルバムでどのようなサウンドとして結実するのか、そして次にブルーノート東京に出演する時には、どのような音楽を感じさせてくれるのか、僕たちファンを引き付けて止まない小曽根の今後の動向も楽しみになってくるライヴでした。

text : 早田和音
神奈川県鎌倉市出身。早稲田大学卒業。ジャズとコントラバスの魅力に取りつかれ、音楽ライターへの道を歩む。インタヴュー、ライヴリポート、ライナーノーツなどの執筆やラジオ出演、海外取材など多方面に活動。
https://www.facebook.com/kazune.hayata

Photo by Makoto Ebi

SET LIST

2019 6.14 FRI.
1st
1. RAINBOW
2. LITTLE BIRD BLUES
3. 12 COLORS
4. YOU’RE MY HEAVEN YOU’RE MY HELL
5. CARROTS OR BREAD
6. UNTIL WE VANISH
EC. I TRY TO IMAGINE
 
2nd
1. RAINBOW
2. CAMELIA
3. 12 COLORS
4. YOU’RE MY HEAVEN YOU’RE MY HELL
5. UNTIL WE VANISH
EC. TIME THREAD

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