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SARAH McKENZIE

artist SARAH McKENZIE

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原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO

これほどハイレベルな女性ピアノ弾き語りミュージシャンの登場は、ダイアナ・クラール以来かもしれません。ますます人気の高まるサラ・マッケンジーが、3年ぶりの新作『シークレッツ・オブ・マイ・ハート』を携えて会心のステージを展開しています。

オーストラリア・メルボルンに生まれ、アメリカ滞在を経て現在はフランス・パリを拠点に活動している彼女。ギターのヒューゴ・リッピ(イングランド出身)、ベースのピエール・ブサゲ(フランス出身)、ドラムスのドナルド・エドワーズ(アメリカ出身)と、新作とまったく同じ国際色豊かなメンバーを引き連れての公演であるのも嬉しいところです。当然ながら4者の一体感は並はずれており、しかも、アルバムよりもたっぷりと各奏者のソロがフィーチャーされたアレンジで名曲の数々が届けられます。これこそライヴの醍醐味といっていいでしょう。

エラ・フィッツジェラルド、ダイアナ・クラール、意外なところではボブ・ディランも歌っている「Day In Day Out」で華やかに幕開けし、「I'm Old Fashioned」の間奏では敬愛するピアノ奏者ジーン・ハリスを彷彿とさせるブロック・コードを披露。アントニオ・カルロス・ジョビン作「Triste」ではスキャット+ピアノ+ギターのユニゾン・アンサンブルが瀟洒な雰囲気を醸し出し、先日物故したフランスの大音楽家ミシェル・ルグランの思い出をMCで語った後は、彼が作曲した代表的バラード「You Must Believe in Spring」をソロの弾き語りで限りなく抒情的に聴かせてくれました。弾き語りの大先輩であるシャーリー・ホーンに表敬した「Come on Home」での、まさしく"サラ・マッケンジー流ブルース"というべき演唱も、見事の一言に尽きます。

古典的なアメリカン・スタンダード・ナンバーあり、書き下ろしのオリジナル曲あり、スロー・ブルースあり、ボサ・ノヴァやラテン・テイストありという多彩な選曲はステイシー・ケントやホリー・コールのそれにも通じるものがあり、彼女たちのファンにもぜひチェックしてもらえたらと感じました。公演は本日も開催されます。

(原田 2019 6.20)

Photo by Takuo Sato

SET LIST

2019 6.19 WED.
1st
1. DAY IN DAY OUT
2. I’M OLD FASHIONED
3. WE COULD BE LOVERS
4. PARIS IN THE RAIN
5. YOU AND THE MUSIC
6. I FELL IN LOVE WITH YOU
7. COME ON HOME
8. YOU MUST BELIEVE IN SPRING
9. TRISTE
10. DE NADA
11. A BEAUTIFUL FRIENDSHIP
12. ON JEALOUS MOON
 
2nd
1. THE WAY YOU LOOK TONIGHT
2. LITTLE GIRL BLUE
3. THAT’S IT, I QUIT
4. PARIS IN THE RAIN
5. I FELL IN LOVE WITH YOU
6. EMBRACEABLE YOU
7. COME ON HOME
8. DE NADA
9. GERSHWIN MEDLEY
10. ON JEALOUS MOON
EN. I GOT THE BLUES TONIGHT

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