2019 7.3 wed., 7.4 thu.
ALFA MIST
artist ALFA MIST
原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO
なんと心やすらぐ、格調高い、しかも絶大なうねりを持つ音作りなのでしょう。最新作『Structuralism』も大好評。イースト・ロンドンが生んだ才人、アルファ・ミストが遂にブルーノート東京にやってきました。7月1日の名古屋ブルーノート公演、7月2日の新宿ブルックリンパーラーでのイベント(WONKのリーダー/ドラマー:荒田洸をDJに迎えた)を経て、絶好調のまま4日までライヴが行なわれます。
共演メンバーはジョン・ウッドハム(トランペット、フリューゲルホーン)、ジェイミー・リーミング(ギター)、カヤ・トーマス・ダイク(ベース、ヴォーカル)、ピーター・アダム・ヒル(ドラムス)。個人的には『Nocturne EP』でジョーダン・ラカイやトム・ミッシュらと共にフィーチャーされていた(そしてアルバム・アートワークも手がけていた)カヤの重低音ベースと可憐な歌声に、特に高揚させられました。トレードマークといえるキャップをかぶったアルファはシンセサイザー(フェンダー・ローズ的な音を出す)とアコースティック・ピアノを弾き分けて、メロディ・ラインにコード・ワークにと、美しい響きを存分に披露します。左手のタッチの強さ、右手の流れるようなロング・トーン、そしてどこかメランコリックなメロディ・ラインが一体となって、真夏の東京に涼し気な情景を運びます。
演奏曲目は「Naiyti」、「Retainer」、「Jjajja's Screen」など『Structuralism』からのものが中心。"あのナンバーがこんな風にライヴになるのか"的驚きも、たっぷり味わえるといっていいでしょう。アルファはほぼ1曲ごとにMCを挟み、曲ができた由来やフィーチャリング・メンバーについて親切に説明します。より自分の音楽を知ってもらいたい、親しんでもらいたいという気持ちを強く感じて嬉しくなったのは、ぼくだけではないはずです。ジョンは'90年代のニルス・ペッター・モルヴェルのように、生音増幅用のものとエフェクターを通した2本のマイクを使い分け、ジキルとハイドのようにリリシズムと激しさの間を行ったり来たりします。エフェクトも曲によってワウ系、オクターヴァー系など細かく切り替えていたのが印象的でした。トラックメイカーやキーボード奏者を志している方はもちろんのこと、"美しいメロディとズブズブの低音とメリハリあるリズムのかっこいい共存"を目指す作曲家やアレンジャーの方にもぜひ体感してほしい公演です。本日はどんな"夢幻の世界"にいざなってくれるのでしょうか。
(原田 2019 7.4)
Photo by Tsuneo Koga
2019 7.3 WED.
1st | |
---|---|
1. | SILENCE |
2. | NAIYTI |
3. | RETAINER / RESTRAINER |
4. | GLAD I LIVED |
5. | JJAJJA’S SCREEN |
6. | BREATHE |
7. | FALLING |
8. | KEEP ON |
EC. | RESOLVE |
2nd | |
1. | 44 |
2. | NAIYTI |
3. | RETAINER / RESTRAINER |
4. | GLAD I LIVED |
5. | BREATHE |
6. | FALLING |
7. | KEEP ON |
EC. | RESOLVE |