2019 7.5 fri., 7.6 sat.
The EXP Series #28 / THE DIP
artist THE DIP
原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO
"ソウル・ミュージック命"と、彫ってありそうなサウンドです。スタックス、ヴォルト、ハイ、ブランズウィックといった往年の名門レーベルの音が大好きでたまらないのでしょう。そして、強く受けてきた影響の数々に、いかに自分たちの個性を加え、それを現代の空気の中に解き放っていくか・・・そこにも細心の注意が払われたステージという印象を受けました。
2015年にアルバム・デビューを果たしたワシントン州シアトルのグループ"ザ・ディップ"が、記念すべき初来日公演を開催中です。今年リリースされたアルバム『ザ・ディップ・デリヴァーズ』も大好評の折、絶好のタイミングでのライヴです。リーダー格で歌、ギター、MCを担当するトム・エディーは、エレクトロニック・シンセポップ・バンド"ビート・コネクション"の一員でもあります。つまり彼は、それとはまったく正反対の、血と汗のにおいがするオーガニックな音作りをザ・ディップで繰り広げているわけです。メンバーは彼のほか、3ホーンズ(トランペット、テナー・サックス、バリトン・サックス)、3リズム(ギター、ベース、ドラムス)。鍵盤類は入っておらず、ベースも4弦です。トムは時折タンバリンを膝に打ち付けながら歌うのですが、これまた絵になるかっこよさ。ジェイコブ・ラングレンのギターにはスティーヴ・クロッパーを思わせるリズムの切れ味があり、「Chanterelle」におけるトムとのツイン・ギターによる絡みも圧巻でした。
セットリストの3分の1を占めたインストゥルメンタル曲も、メンフィス・ホーンズやマーキーズ等を思わせるリズミカルでダンサブルなもの。「Advertising」ではホーン・セクションとリズム・セクション(ドラムスのジャレッド・カッツを除く)がお揃いの振り付けでオーディエンスを熱狂させ、かと思えば「Adeline」では1コーラス目をリード・ヴォーカル(トム)+コーラス(ジェイコブとトムを除く全員)+タンバリン(ジャレッド)でゆったりと披露、2コーラス目からテンポ・アップしてそれぞれが自身の本来の楽器ポジションに戻って盛り上げるという二部構成でした。そしてオーラスは17年にシングル・リリースされた「Sure Don't Miss You」。観客は次々と立ち上がり、トムに促されてリフレインを合唱しました。気鋭バンドのソウル(魂)を、ぜひみなさんにも受け取っていただけたらと思います。公演は本日まで開催です。
(原田 2019 7.5)
Photo by Tsuneo Koga
2019 7.5 FRI.
1st | |
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1. | INTRO : I’M GONNA GET YOUR THING (GET YOU) |
2. | ATLAS |
3. | CHANTERELLE |
4. | SLOW SIPPER |
5. | STATE LINE |
6. | THE SCROTCH |
7. | READY TO GO |
8. | ADVERTISING |
9. | WON'T BE COMING BACK |
10. | O. P. JEBEDIAH |
11. | ANGEL DE LOS MUERTOS |
12. | ADELINE |
13. | SPIDERWEB |
EC. | SURE DON'T MISS YOU |
2nd | |
1. | INTRO : I’M GONNA GET YOUR THING (GET YOU) |
2. | SLOW SIPPER |
3. | AIN'T NECESSARY (THE PRINCE) |
4. | SEA SNAKE |
5. | STATE LINE |
6. | BEST BELIEVE |
7. | B.T. |
8. | DON'T MAKE ME WAIT |
9. | STARCASTLE |
10. | ATLAS |
11. | STONE DUST |
12. | I'M LONELY |
13. | SHE GAVE ME THE KEYS |
EC1. | NEVER MY LOVE |
EC2. | SURE DON'T MISS YOU |
EC3. | SPIDERWEB |