2019 7.21 sun., 7.22 mon., 7.23 tue.
SEUN KUTI & EGYPT 80
artist SEUN KUTI
原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO
いよいよ東京も梅雨明けのようです。そして昨日から、飛び切り熱い音のシャワーがブルーノート東京に降り注いでいます。"アフロビートの神"フェラ・クティのDNAを受け継ぐ俊英、シェウン・クティ率いる"エジプト80"がちょうど1年ぶりに戻ってきてくれました。
まず重鎮コーラ・オナサンヤ(フェラとの共演歴もあります)が登場し、メンバーの一人ひとりをステージに呼びこみます。まずはシェウンを除くエジプト80全員が目下の最新作『Black Times』から「Kuku Kee Me」を演奏します。とにかくこのバンドのダイナミクス(メリハリ)は尋常ではありません。そして低音と高音のコントラストが絶妙です。オラディメジ・アキネリのトランペットとアデボワレ・オスンニブのバリトン・サックスによる強烈なユニゾン、クンレ・ジャスティスの極太ベースとアキン・バミデレの乾いたギター・カッティング、オナサンヤの重厚なジャイアント・コンガの響きとワレ・トリオラのパーカッション("かんな"のような形状の木製の楽器を棒で叩いて、堅く張りのある音を出します。ちなみにもウェイルもフェラのバンドに在籍経験があります)、その音色たちの交わりと対比に引き込まれました。
そしていよいよ"プレゼンテッド・バイ・カラクタ・リパブリック"、"ワン&オンリー"、"チャンピオン"といった言葉と共にシェウンが紹介されます。新たに"アフロ・サムライ"というフレーズも織り込まれていたのは、前回の日本滞在がよほど印象的だったということなのでしょう。赤いマウスピースのついたアルト・サックスを片手に、シェウンは颯爽とステージに登場します。そして始まったのはなんと、フェラが1975年にリリースした名盤『Everything Scatter』に入っていた「Everything Scatter (Rere Run)」。"俺の父親の曲だ"という紹介を挟んでの、入魂のパフォーマンスです。背後のスクリーンに往年のフェラの勇ましい姿が映し出されたのも、ぼくのような古参アフロビート・ファンだけではなく、幅広い世代のオーディエンスの心を揺さぶったに違いありません。
以降、『Black Times』収録曲を中心にシェウンは大いに歌い、踊り、語り、サックスを吹き、キーボードを弾きました。バンド・メンバーとのコール&レスポンス(女性コーラス陣のメイクやコスチュームも見事でした)は高揚に高揚を重ね、ステージも後半になるとシェウンは上半身裸になって観客を煽りまくります。汗に濡れたからだがスポットライトを浴びて光り、白色系のライトがあたると、なんだか後光がさしているようにも見えました。アフロ・サムライとその同志たちによる、火の出るような公演は23日まで続きます。
(原田 2019 7.22)
Photo by Great The Kabukicho
2019 7.21 SUN.
1st | |
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1. | KU KU KEE ME |
2. | EVERYTHING SCATTER (RERE RUN) |
3. | YOU CAN RUN |
4. | BAD MAN LIGHTER (BML) |
5. | AFRICAN DREAMS |
6. | STRUGGLE SOUND |
7. | BLACK TIMES |
8. | THEORY OF GOAT & YAM |
2nd | |
1. | KU KU KEE ME |
2. | EVERYTHING SCATTER (RERE RUN) |
3. | YOU CAN RUN |
4. | BAD MAN LIGHTER (BML) |
5. | STRUGGLE SOUND |
6. | BLACK TIMES |
7. | THEORY OF GOAT & YAM |