2019 7.26 fri., 7.27 sat.
MASATO HONDA B.B.STATION -Big Band Night-
artist 本田雅人
原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO
もはや夏の風物詩と言っていいでしょう。昨日から本田雅人B.B.STATIONのステージが始まりました。キャッチーでポップでテクニカルでトリッキーな音作りは、リスナーからアマチュア・ミュージシャンまで幅広い層に満足と感銘を与えてくれること間違いなしです。
しかも今回は、須藤満(エレクトリック5弦ベース)と則竹裕之(ドラムス)がリズム・セクションを構成しています。となるとどうしても期待したくなるのが、T-SQUAREのナンバーです。なにしろ'91年から'97年にかけて、本田、須藤、則竹の3人はこのバンドで活躍していたのですから、わくわくせずにはいられません。さてどんな曲が出てくるのかと思ったら、登場したのは今や吹奏楽の大定番となった「宝島」。本田はこの曲が初めて収められた'86年のアルバム『S・P・O・R・T・S』にこそ参加していませんが、ライヴやリハーサルではおそらく通算2500回ぐらい演奏してきたのではないかとのこと。今回はトランペット奏者エリック・ミヤシロが新たにアレンジを提供、この有名曲からさらなる新しい魅力を引き出していました。そして、'94年のT-SQUAREのアルバム『夏の惑星』からは「夏の蜃気楼」を、作曲者の本田みずからが取り組んだ新アレンジで届けてくれました。CDヴァージョンの前半に入っていた本田の多重録音によるヴォーカル(コーラス)はホーン・セクションの無伴奏アンサンブルに置き換えられ、よりジャジーな装いをまとった印象です。なおB.B.STATION公演中に提供されるスペシャル・カクテル「サマー・ミラージュ」は、この曲にちなんでいます。
ほかにも本田のアルト・サックス奏法のショウケースと呼びたくなる絶品のバラード「FAIR AFFECTION」、ソプラノ・サックスに持ち替えてサックス・セクションと壮絶なやりとりを繰り広げる「おはこ」、メンバー全員のソロが挿入されるファンキーな「JOY」など、どこをとっても楽しめるプログラムが続きます。それにしても本田のプレイは"サックスが身体の一部になっている"と表現したくなるほど自由自在です。艶やかな音色、並はずれて美しいタンギング(サックスを一度でも経験すれば、その完成度にひれ伏すはずです)、目を見張るしかない指使い、ロング・トーンと細かなフレーズの対比などなど、目のあたりに接すれば、なぜ彼がジャンルを超えてファースト・コールの座に立ち続けているのかが瞭然です。B.B.STATIONのブルーノート東京公演では初登場となる村田陽一(トロンボーン)、カッティングでも本田との高速ユニゾンでも冴えわたった梶原順(ギター)も大快演。公演は本日もほぼ満席のようですが、空席状況はお電話でお問い合わせください。(ブルーノート東京 : 03-5485-0088)
(原田 2019 7.27)
Photo by Yuka Yamaji
2019 7.26 FRI.
1st | |
---|---|
1. | THEME FOR B.B.S |
2. | SEVEN |
3. | CONDOLENCE |
4. | 宝島 |
5. | FAIR AFFECTION |
6. | 夏の蜃気楼 |
7. | サックスのためのソナタ第18番「おはこ」 |
8. | MEGALETH |
EC. | JOY |
2nd | |
1. | THEME FOR B.B.S |
2. | TOKYO TRAIN |
3. | CONDOLENCE |
4. | 宝島 |
5. | LAST CLEAN STREAM |
6. | 夏の蜃気楼 |
7. | サックスのためのソナタ第18番「おはこ」 |
8. | MEGALETH |
EC. | JOY |