2019 7.31 wed., 8.1 thu.
The EXP Series #29 / JOEY DOSIK
artist JOEY DOSIK
原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO
才人シンガー・ソングライター、ついにブルーノート東京に初登場です。ファンク・バンド"ヴルフペック"(『Sleepify』は、墓の中にいるジョン・ケージに聴かせたくなるほどトンチが利いていました)のコラボレイターや、モッキーのツアー・メンバーとしても注目を集めてきたジョーイ・ドーシックのステージが昨日から始まりました。
登場したのはジョーイに加え、バッキングにもオブリガートにも妙味を発揮するジェイムズ・コーネリソン(ギター)、ヴルフペックの一員でもある超技巧派のジョー・ダート(ベース)、ヴルフペックのテオ・カッツマンのソロ・プロジェクトでも活動するジュリアン・アレン(ドラムス)。ジュリアンは打ち込みを大きく取り入れたヴォーカル盤『Could u Be』を昨年リリースしましたが、そこにはダートとコーネリソンも参加していました。いろんなセッションで顔を合わせてきた盟友たちが、今度はジョーイを主役に、ジョーイの音楽を表現するために集まった、という印象を受けました。
ジョーイは洒落たフェンダー・ローズ・プレイ、まろやかな歌声、親しみやすいステージ・マナーの3拍子をあわせもつ存在。アレンとコーネリソンはバック・コーラスでも大活躍し、「Don't Want It To Be Over」では見事なハーモニーを主役のヴォーカルにつけました。「Get It Right」では、すさまじい音数でグルーヴするベースとヴォーカルが場内を白熱させ、続いてメロウな「Grandma Song」へ。MCのところで、ジョーイは「私の祖母」と、曲名を日本語で読みあげました。翻訳サイトで調べたのだそうです。客席の盛り上がりを見て、"通じたみたいだね。テクノロジーに感謝しなきゃ"と喜ぶ姿にも、とても親近感がもてました。
次のセクションになると、ジョーイはキーボードの前から離れ、スタンドマイクの前に立ちます。背の高い彼が、マイクの位置を調整して始まったのは「Stories」。まずアカペラでじっくりと歌い込み(時折マイクから離れ、生声を響かせていました)、やがてバンド演奏に移ります。コーネリソンのギターを借りて弾き語ったのは、「Competitive Streak」。"キーボード奏者って、ギターに対するあこがれがあるものなんだよ"といいながらの演唱です。その間コーネリソンはコーラスやフィンガースナップをしているのですが、これがまた、絶妙なリズム感で入ってくるのです。
再びフェンダー・ローズを弾きながら歌ったのは、代表曲のひとつ「Running Away」(ヴルフペックのMVではジョーイ+デイヴィッド・T・ウォーカー+ジェイムズ・ギャドソンという涙モノの共演も!)には観客もファルセットで参加し、本編ラストはジョーイがこよなく敬愛するマーヴィン・ゲイに捧げたメドレーを。速い8分の6拍子で燃えあがった「Save the Children」が特に印象に残りました。鳴りやまない拍手の中、再びステージに戻った4人はバラード「Take Mine」を披露。"I live in LA,You live in Tokyo"と歌詞を変えてのパフォーマンスに、観客がさらに沸いたのはいうまでもありません。公演は本日まで!
(原田 2019 8.1)
Photo by Yuka Yamaji
2019 7.31 WED.
1st | |
---|---|
1. | INSIDE VOICE |
2. | DON’T WANT IT TO BE OVER |
3. | GET IT RIGHT |
4. | GRANDMA SONG |
5. | STORIES |
6. | COMPETITIVE STREAK |
7. | RUNNING AWAY |
8. | GAME WINNER |
9. | SAVE THE CHILDREN |
10. | GOD IS LOVE |
11. | MERCY MERCY ME (THE ECOLOGY) |
EC. | TAKE MINE |
2nd | |
1. | INSIDE VOICE |
2. | DON’T WANT IT TO BE OVER |
3. | GET IT RIGHT |
4. | GRANDMA SONG |
5. | FOR MY FRIEND |
6. | STORIES |
7. | COMPETITIVE STREAK |
8. | RUNNING AWAY |
9. | GAME WINNER |
10. | SAVE THE CHILDREN |
11. | GOD IS LOVE |
12. | MERCY MERCY ME (THE ECOLOGY) |
EC. | TAKE MINE |