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THE BRAND NEW HEAVIES

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原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO

昨年、レコード・デビュー30周年を迎えた"アシッド・ジャズの王者"、ザ・ブラン・ニュー・ヘヴィーズ。古巣アシッド・ジャズ・レーベルへの約5年ぶりとなる復帰、エンディア・ダヴェンポート、サイーダ・ギャレット、アンジー・ストーンらをゲストに迎えたニュー・アルバム『TBNH』の発表と、2019年の彼らも話題が尽きることはありません。

もちろんライヴも、初日ファースト・セットから超満員。向かって左側にベースのアンドリュー・レヴィ、右側にギターのサイモン・バーソロミューが立ち、真ん中で新ヴォーカリストのアンジェラ・リッチ(新作にも参加)が定番の数々を歌いまくります。以前からのザ・ブラン・ニュー・ヘヴィーズ・ファンにとっては、"この曲をアンジェラが歌うとこうなるのか"という新鮮味を味わうことができるでしょう。あるいは、ふたりのかっこいいおじさんと精悍な若い女性が、まるで何十年も一緒にパフォーマンスしてきたかのように息のぴったりあった演唱を繰り広げていることに、大きな感銘を受けるかもしれません。

サイモンとアンドリューは時おり立ち位置を変えたり、一緒に並んでプレイしたり、ほぼ動き回っています。アンドリューが図太い音色による豪快なスラップ奏法や、ブーツィ・コリンズを思わせる"宇宙っぽい"音色を響かせるかと思えば、アンドリューは激しくギターの弦をカッティングしたり、歯弾きを披露したり。ソリストではテナー・サックスのリチャード・ビーズリー(ロンドンのギルドホール音楽院出身。元タビー・ヘイズ・カルテットのドラマー、スパイク・ウェルズらとアコースティック・ジャズのバンドも率いる)の豊かな音色、アドリブにおける多彩なアイデアに引き込まれました。

新作からの「These Walls」に加え、むろん「Never Stop」「Midnight At The Oasis」「You Are The Universe」(もうひとりの女性メンバー、パーカッション奏者ミム・グレイも一部でリード・ヴォーカルをとりました)などの定番もたっぷり聴かせてくれますが、サイモンがMC中で語ったように"ジャム(即興的な展開)"の要素を大切にしているのもザ・ブラン・ニュー・ヘヴィーズのステージの魅力です。"よりディスコ的なライヴになるのか、ブルース的になるのか、ファンキーになるのか、それは皆さん(オーディエンス)の雰囲気次第で変わっていくよ。俺たちに同じショウはふたつとしてないんだ"。ザ・ブラン・ニュー・ヘヴィーズは今日もまた、昨日やそれ以前とは違う、いまこのときのライヴ・パフォーマンスで熱狂させてくれることでしょう。公演は12日まで続きます。

(原田 2019 8.11)

Photo by Great The Kabukicho

SET LIST

2019 8.10 SAT.
1st
1. NEVER STOP
2. SOMETIMES
3. BACK TO LOVE
4. DREAM ON DREAMER
5. MIDNIGHT
6. BNH
7. THESE WALLS
8. SWEET FREEEK
9. SPEND SOME TIME
10. STAY THIS WAY
EC. YOU ARE THE UNIVERSE
 
2nd
1. NEVER STOP
2. SOMETIMES
3. BACK TO LOVE
4. DREAM ON DREAMER
5. MIDNIGHT
6. BNH
7. THESE WALLS
8. SWEET FREEEK
9. SPEND SOME TIME
10. STAY THIS WAY
EC1. YOU ARE THE UNIVERSE
EC2. DREAM COME TRUE

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