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THE LEGENDARY COUNT BASIE ORCHESTRA directed by SCOTTY BARNHART featuring CARMEN BRADFORD

artist COUNT BASIE ORCHESTRA

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原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO

世界中にビッグ・バンド・ジャズの魅力をふりまく超老舗"ザ・レジェンダリー"カウント・ベイシー・オーケストラが、今年も日本にやってきました。コンダクターは引き続きトランペット奏者のスコッティ・バーンハートが担当。80数年の歴史を持つ同オーケストラですが、今回はいわゆる"戦後ベイシー"、つまり1950年代以降、アーニー・ウィルキンス、フランク・フォスター、サド・ジョーンズ、ニール・ヘフティ、チコ・オファリル、サミー・ネスティコらが提供したスコア中心のプログラムです。

ベイシー楽団流のファンファーレといったところでしょうか、ネスティコ作「Magic Flea」を華やかに、高らかにプレイして初日セカンド・セットは幕を開けました。楽団に約50年間在籍したギター奏者フレディ・グリーンが書いた「Corner Pocket」(ベイシー楽団のサックス奏者ポール・クィニシェットに提供した「Bustin' Suds」という曲に加筆した)では早速、バーンハートが胸のすくようなトランペット・ソロを繰り広げます。今年27歳になるドラマーのロバート・ブーンがブラッシュを用いてリッチなトロンボーン・アンサンブルとわたりあう「Bag-A' Bones」は、ニール・ヘフティが書いた一曲。ベイシー楽団のヘフティものといえば「Cute」か「Li'l Darlin'」あたりが大定番ですが、そこにあえて通好みのこれをもってくるあたり、マニア級のファンもしっかり喜ばせてくれます。

ジャズの歴史に数えきれないほどの金字塔を築いてきましたベイシー・オーケストラは、同時に現在進行形の音楽集団でもあります。というわけで、昨年リリースされた新作『All About That Basie』からも、しっかり長尺ナンバーの「From One to Another」を披露。グレン・ピアソンのピアノも大きくフィーチャーされ(特にベイシーっぽく弾こうとしていないところにも好感が持てます)、25歳のバリトン・サックス奏者ジョシュア・リーの堂々たるプレイも強い印象を残しました。

ジミー・ラッシング、ジョー・ウィリアムス、ビリー・ホリデイ、ヘレン・ヒュームズ、O.C.スミス、レオン・トーマスなどベイシー楽団は数々の名シンガーを擁してきました。しかしこの日登場したカーメン・ブラッドフォードほど長期間在籍している歌い手はいません。初参加は'83年といいますから、(途中離れていた時期があったとはいえ)今年で勤続36年を迎えます。父親はオーネット・コールマンやネルス・クラインとの共演で知られるコルネットの重鎮ボビー・ブラッドフォード。前回の公演でも歌った「'Deed I Do」、バラード「Daydream」等を、豊かな声量、こみあげるようなブルース・フィーリングで楽しませてくれました。

「One O'Clock Jump」のあとは「April in Paris」で大団円・・・ぼくは1990年、フランク・フォスターがコンダクターだった頃からベイシー楽団のライヴに足を運んでいますが、このお約束はまったく変わっていないまま今に至っていたような気がします。しかしこの日のオーラスでは、パリではなくてハーレムに案内してくれました。永遠のライバル、デューク・エリントン・オーケストラのテーマ・ソング「Take the A Train」を独自のアレンジで聴かせてくれたのです。エリントン楽団は通常Aメロをサックス・アンサンブルで演奏しますが、ベイシー版はブラス・セクションをふんだんに使って表現。ソリストとしてはダグ・ローレンスが豪快なサックス・プレイで気を吐きました。

公演は19日まで行なわれます。セットごとに曲の入れ替えも相当あるとのこと。どんな名曲名演が飛び出すか楽しみにしながら、公演に足をお運びいただけたらと思います。


(原田 2019 9.17)

Photo by Takuo Sato

SET LIST

2019 9.16 MON.
1st
1. THIS COULD BE THE START OF SOMETHING BIG
2. WHO, ME?
3. BASIE STRAIGHT AHEAD
4. EASY LIVING
5. EASIN’ IT
6. BASIE POWER
7. HONEYSUCKLE ROSE
8. ONLY THE YOUNG
9. BLUES IN HOSS’ FLAT
10. I’VE GROWN ACCUSTOMED TO HER FACE
11. LOVE BEING HERE
12. DAYDREAM
13. WHIRLYBIRDS
14. ONE O'CLOCK JUMP
EC. APRIL IN PARIS
 
2nd
1. MAGIC FLEA
2. CORNER POCKET
3. BAG A BONES
4. WHAT’S NEW
5. FROM ONE TO ANOTHER
6. THERE WILL NEVER BE ANOTHER YOU
7. DEED I DO
8. DAYDREAM
9. BLUES IN HOSS’ FLAT
10. IN THE WEE SMALL HOURS OF THE MORNING
11. BASIE POWER
12. ONLY THE YOUNG
13. AT LAST
14. BASIE
15. ONE O'CLOCK JUMP
EC. TAKE THE “A” TRAIN

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