2019 11.7 thu., 11.8 fri., 11.9 sat., 11.10 sun.
An Intimate Evening with JERMAINE JACKSON
artist JERMAINE JACKSON
原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO
あまりにもスペシャルな公演が昨日から始まっています。"世界一有名な音楽一家"ジャクソン・ファミリーの三男、ジャーメイン・ジャクソンによる奇跡のクラブ・ギグです。ブルーノート東京にはすでに次男のティト・ジャクソンが数度登場し、ブルース色の濃いショウで楽しませてくれましたが、ジャクソン5で六男のマイケル・ジャクソンと共にリード・ヴォーカルを担当していたジャーメインの歌やダンスを至近距離で堪能できるのもまた、大いなる至福です。そういえばホイットニー・ヒューストンの才能を早くから見出し、プロデュースやデュエットを行なうことで彼女が世界的アーティストへと躍進することを手助けしたのもジャーメインでした。
スーツにネクタイでビシッと決めたバンド・メンバーが演奏を始めると、いよいよジャーメインの登場です。ジャケット、ネクタイ、パンツ、すべて真っ赤。そこに白いシャツ、キラキラにコーティングされたベルト、黒いブーツが絶妙なコンビネーションを描きます。観客全員と目を合わせるようにして歌い始めたのは「Dynamite」。マイケルやホイットニーとのデュオも含む大ヒット・アルバムからのタイトル曲です。続いてはジャクソン5 改めジャクソンズの「Blame It On The Boogie」をジャーメインならではの味付けで。熱心なファンの方には釈迦に説法だと思いますが、諸般の事情でジャーメインはジャクソンズとは別行動をとっていました。ゆえに2011年、彼がこの曲をソロでリリースしたときには驚きが巻き起こったものでした。それがナマで聴けるのはまさしくファン冥利です。さらに自身のビッグ・ヒット「Let's Get Serious」ではベースの弾き語りで、場内をさらに盛り上げました。
初期ジャクソン5の大定番「I Want You Back」、「ABC」などはメドレーでテンポよくプレイされました。ステージ後部のスクリーンにはジャクソン5の映像やアニメが映し出され、"一緒に歌ってくれ"というジャーメインの呼びかけに反応して、会場中から合唱が起こります。そして愛する弟に捧げた"フォーエヴァー・マイケル"というコーナーでは「I'll Be There」や「Gone Too Soon」をしっとりと。スティーヴィー・ワンダーのバンドでも演奏するギター奏者カイル・ボールデンら凄腕メンバーが活躍したインストゥルメンタル・コーナーの後、ジャーメインは黒のジャケットを着て再登場。客席への指差し、軽やかなターンには見とれるばかりです。ジャクソンズの「Heartbreak Hotel」やマイケルの「Wanna Be Startin' Somethin'」、「Beat It」(カイルがアーミングやライトハンドを用いたギター・ソロを繰り広げました)も惜しげもなく登場、ハイ・トーンでエッジの利いたマイケルの歌唱とはまた異なる味わいを持つ、ジャーメイン独特のマイルドな歌声で綴られるマイケル楽曲の数々には「弟の遺したナンバーを歌い継いで、今を生きるリスナーにライヴで伝えたい」という彼の強い意思を感じました。ステージは10日まで行なわれます。語り草になること間違いなしのクラブ公演、ぜひお越しくださいませ。
(原田 2019 11.8)
Photo by Tsuneo Koga
2019 11.7 THU.
1. | DYNAMITE |
---|---|
2. | BLAME IT ON THE BOOGIE |
3. | ROCK WITH YOU |
4. | ENJOY YOURSELF |
5. | JACKSON 5 MEDLEY (I WANT YOU BACK ~ ABC ~ STOP THE LOVE YOU SAVE) |
6. | DANCING MACHINE |
7. | LET’S GET SERIOUS |
8. | I’LL BE THERE |
9. | GONE TOO SOON |
10. | DADDY’S HOME |
11. | DO WHAT YOU DO |
12. | GROOVE LINE (BAND ONLY) |
13. | ALL I DO (BAND ONLY) |
14. | CAN’T LET HER GET AWAY |
15. | HEARTBREAK HOTEL |
16. | WHEN THE RAIN BEGINS TO FALL |
17. | DON’T STOP ’TIL YOU GET ENOUGH |
18. | WANNA BE STARTIN’ SOMETHIN’ |
19. | WORKING DAY AND NIGHT |
EC. | BEAT IT |