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DAVID SANBORN with special guest RANDY BRECKER

artist DAVID SANBORN , RANDY BRECKER

REPORT

原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO


ブルーノート東京が開店して満31周年となる11月28日、デヴィッド・サンボーンとランディ・ブレッカーの共演ステージの幕があがりました。

サンボーンが2ホーン編成によるアコースティック楽器主体の新クインテットを立ち上げたのは、2016年9月のことです。以来3年あまり、ワイクリフ・ゴードン、マイケル・ディーズなどサンボーンより下の世代のトロンボーン奏者を迎えて快演を繰り広げてきましたが、今回の来日では旧友のトランペット奏者ランディ・ブレッカーがパートナーを務めます。ランディ、その弟であるマイケル(故人)、そしてサンボーンは'70年代に"ブレッカー・ブラザーズ・バンド"のホーン・セクションを構成していました。熟成を重ねたサンボーンとランディの再会は、ジャズ~フュージョン・ファンにとって大変なトピックといえましょう。

サンボーンはセットリストを頻繁に変えるタイプではありません。つまり来日公演ごとに足を運んでいるリスナーは、"あのおなじみの曲が、この共演者によってどう変化していくのだろうか"という関心を高めつつ鑑賞することもできます。前半2曲、「Tumbleweed」と「Half Moon Lane」の流れも、今ではすっかりサンボーン好きに知れ渡っているのではないでしょうか。しかしこうしたナンバーをランディも交えて演奏するとなると、また趣が変わってきます。なぜならこの2曲、マイケルが病をおして取り組んだ遺作『Pilgrimage』の収録曲だからです。サンボーンも、「マイケルが書いた楽曲を、ランディと共に演奏することができて光栄だ」と語っておりました。メイン・メロディを提示するアルト・サックスと高音でハモリを加えるトランペットが織りなすコンビネ―ション、どこか後期アート・ペッパー('70~'80年代)を思わせるサンボーンのアグレッシヴな吹きっぷり、アドリブを重ねるごとに滑らかさを増していくランディのプレイには、身を乗り出さずにはいられない魅力がありました。そして名手ビリー・キルソンの重厚にして柔軟なドラム・ワーク! ぼくにとって彼のリズムは、このバンドにとって最大の旨味でもあります。

ステージ後半では、11月27日に誕生日を迎えたばかりのランディへのバースデー・コーナーも開催。「Happy Birthday to You」を演奏するサンボーンも珍しければ、トランペットではなくロウソクの火を吹くランディの姿も相当レアな風景でした。開店31周年とランディの誕生日という"ダブル・セレブレーション"に包まれつつ、華やぎいっぱいに終了した会心のステージ。サンボーン、ランディ、キルソン、ジェフリー・キーザー(ピアノ、キーボード)、ケニー・デイヴィス(アコースティック・ベース)の5人は30日まで絶好調を維持したまま、超満員のファンの心をわしづかみにすることでしょう。
(原田 2019 11.29)
Photo by Yuka Yamaji

SET LIST

2019 11.28 THU.
  
1st & 2nd
1. TUMBLEWEED
2. HALF MOON LANE
3. MAPUTO
4. IT'S ALL IN THE GAME
5. SPANISH JOINT
6. ON THE SPOT

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