2019 12.22 sun., 12.23 mon., 12.24 tue., 12.25 wed.
Christmas Evening with NIKKI YANOFSKY
artist NIKKI YANOFSKY
原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO
今年のブルーノート東京のクリスマスは、ひときわゴージャスでフレッシュな雰囲気に包まれています。成長と躍進を続けるシンガー、ニッキー・ヤノフスキーのステージが昨日から始まりました(クリスマス当日まで4日間8セットの開催)。
カナダ・モントリオール出身の彼女は幼いころから天才シンガーとして脚光を浴び、2010年には冬季オリンピックでも歌唱。彼女の才能を認め、コラボレートした面々には師のクインシー・ジョーンズのほか、ハービー・ハンコック、ウィル・アイ・アム、トミー・リピューマ、フィル・ラモーン、エルトン・ジョンといった超大物もいます。14歳の時に伝説的歌手エラ・フィッツジェラルドに捧げた初フル・アルバム『Ella...Of Thee I Swing』を発表し、その後、よりポップでコンテンポラリーな路線に向かった『Nikki』、『Little Secret』をリリース。ソングライターとしての才能開花にも目覚ましいものがあります(とくに「Thriller」「Baby, Come to Me」などを作曲したロッド・テンパートンから多くのことを学んだとのことです)。そのニッキーによる、約5年ぶりのクラブ・ギグなのですから、これはクリスマス云々ということを抜きにしても、注目必至でしょう。
初日の選曲は、大きく3つにわけることができました。ひとつは、彼女のルーツのひとつであるジャズやR&Bの古典。これを気鋭ミュージシャンたちと、あくまでもスタイリッシュに仕上げていきます。なかでもメル・トーメの歌でヒットした「Comin' Home Baby」、レイ・チャールズの「Hallelujah, I Love Him So」(原曲は"Her"ですが、女性シンガーが歌う場合は基本的に"Him"と変化します)におけるブルース調の感覚は爽快でした。そしてもうひとつは、近年のニッキーが特に力を入れているオリジナル・ソングの路線。前もってプログラミングされたサウンドも存分に導入し、エレクトリック・キーボードやエレクトリック・ギター(自らもシンガー・ソングライターとして活動するケイル・ホーキンスが兼任)もフィーチャーしてのパフォーマンスです。クインシー・ジョーンズがプロデュースした『Little Secret』からの曲はもちろん、まだアルバムに入っていない曲、ライヴ初公開の曲なども織り交ぜ、超満員のファンを沸かせました。
そしてさらにもうひとつの聴きどころは、もちろんクリスマス~ニュー・イヤー・ソングの数々。スウィンギーな「Let It Snow」、スロー・テンポで優しくうたいあげる「The Christmas Song」などなど、外の寒さと大雨を忘れさせるほどの暖かみがありました。本日はどんなステージで聴き手をもてなしてくれるのでしょうか。公演は25日まで続きます。
(原田 2019 12.23)
Photo by Takuo Sato
2019 12.22 SUN.
1st & 2nd | |
---|---|
1. | NESESSARY EVIL |
2. | WAITING ON THE SUN |
3. | HIGH NOTE |
4. | LOVE IS A LOSING GAME |
5. | PENNIES FROM HEAVEN |
6. | LONER |
7. | COMIN' HOME BABY |
8. | CHELSEA HOTEL NO.2 |
9. | FORGET |
10. | HALLELUJAH, I LOVE HIM SO |
11. | THE CHRISTMAS SONG |
12. | NERVE |
13. | KNOCK KNOCK |
14. | WHAT ARE YOU DOING NEW YEAR'S EVE? |
15. | MISTLETOE |
EC. | LET IT SNOW |