原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO

話題沸騰の上原ひろみ「ブルーノート東京」ロングラン公演"SAVE LIVE MUSIC"、その第2シリーズが昨日から始まっています。

タイトルは「PLACE TO BE」。楽曲はすべて、2009年に発表された初ソロ・ピアノ・アルバム『PLACE TO BE』から選ばれています。この作品のリリース直後のライヴに足を運んだことを昨日のことのように覚えているオーディエンスも多々いらっしゃるのではないかと思いますが（ぼくもそうです）、そこからのレパートリーが、約10年の歳月を経てより多彩な経験を積んだ現在の上原ひろみによって新解釈され、次々と差し出されてゆくのは快感のひとことに尽きます。「この日、この場所ならではの音楽を楽しんでください」という言葉通り、実に生々しく、瑞々しい、"2020年を呼吸する『PLACE TO BE』"に浸ることができました。

艶やかなシングル・トーン、変幻自在の和音、信じられないほど長く高速で繰り広げられるトリル、いわゆるプリペアド・ピアノによるアプローチ等、上原ひろみはこの楽器からあらゆる特質を引き出します。ある曲では敬愛してやまないオスカー・ピーターソンを彷彿とさせるドライヴ感たっぷりのフレーズで酔わせ、ある曲ではライティング効果もたっぷり取り入れながら観客を興奮の渦に巻き込みます。ステージで演奏しているのはたしかに彼女ひとりですが、ちょっと俯瞰で見ると照明、音響、調律師、クルー、オーディエンス、皆だれもが要員であることが伝わってきます。この"みんなで創り出す"高まりこそライヴの醍醐味であると、ぼくは信じてやみません。

「PLACE TO BE」公演は7日まで続きます。前述アルバムを愛聴して久しい方も、これから聴いてみようという方も、大満足のステージになることは間違いありません。上原ひろみとブルーノート東京シェフがコラボレートしたディナーボックスのテイクアウト・プランも新メニューに替わって販売中（モノトーンの色合いがポイント）、こちらも要注目です。
(原田 2020 9.5)

Photo by Tsuneo Koga

☆"SAVE LIVE MUSIC"公演 特設ページ

☆残り3プログラムもお見逃しなく。配信チケット絶賛発売中！
～PLACE TO BE～
2020 9.4 fri., 9.5 sat., 9.6 sun., 9.7 mon.
※生配信：9.7 mon. 2ndショウ (Start8:45pm)

～BALLADS～
2020 9.10 thu., 9.11 fri.
※生配信：9.11 fri. 2ndショウ (Start8:45pm)

～Since 2003～
2020 9.12 sat., 9.13 sun., 9.14 mon., 9.15 tue., 9.16 wed.
※生配信：9.16 wed. 2ndショウ (Start8:45pm)