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"SAVE LIVE MUSIC RETURNS" HIROMI ~DUO~ with KAZUNORI KUMAGAI

artist 上原ひろみ , 熊谷和徳

REPORT

原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO


ピアニストの上原ひろみが「ブルーノート東京」から発信するロングラン公演"SAVE LIVE MUSIC RETURNS"が、ついに再始動しました。

当初、このライブ・シリーズは昨年の12月28日から今年の1月17日にかけて、3種のプログラムで行なわれる予定でした(計18日間・36公演)。が、「~ピアノ・クインテット~」公演の全日程を終えた3日後、東京都に緊急事態宣言が発令されたため、残る「~ソロ~」、「~デュオ~ with 熊谷和徳」の2プログラムは延期を余儀なくされました。ファンも、演者も、誰もがシリーズの再開を待ち望んでいたに違いありません。ブルーノート東京に足を運んだぼくの目に真っ先に入ってきたのは、"ついにこの日が来た"といわんばかりの、嬉しさにあふれたオーディエンスの表情や動きです。

上原ひろみと熊谷和徳は2006年以来、折に触れてデュオ・パフォーマンスを行なってきましたが、常に新しい風景に案内してくれるのがこのふたりです。それぞれのソロ・パフォーマンスを含むプログラムも新鮮そのもの、原点(交点O)にジャズをおきながらも、ポップス、フォーク・ソング、クラシックまで、座標軸いっぱいに音楽の面白さを拡げたステージという印象を受けました。上原がカーペットのように和音を敷き詰めるなか、熊谷がくさびを打ち込むかのごとく鋭くタップを踏む場面もあれば、ドラマーの奏でるブラッシュ・ワークを思わせる優しいタップの響きと、骨太なピアノ・プレイが絶妙に融合する場面にも出会えました。超絶的なフレーズをばっちりユニゾンで合わせるかと思えば、ピアノが前に出てタップがそれを引き立てる場面も、その逆もあって、"ピアノはメロディアスな楽器で、タップダンスの音はパーカッションのようにリズミカルで"という固定されたイメージがどんどん溶け出していきます。"弾く・奏でる・かき鳴らす"と"打ち付ける・蹴る・こする"が、多彩なバリエーションのもとに組み合わさっているのです。

MCと呼べるものは、お互いがお互いの名前を紹介するパートと、上原ひろみが発した"ありがとうございました"のみ。しかし、渾身の音楽と満面の笑顔は、どんな言葉よりも雄弁にライブの成功を伝えていたといってもいいでしょう。「上原ひろみ ~デュオ~ with 熊谷和徳」は19日、20日、22日、27日、28日にも開催。そして23日には「~ソロ~」プログラムの初日公演が行なわれます。
(原田 2021 3.19)


Photo by Tsuneo Koga

☆"SAVE LIVE MUSIC RETURNS"公演 特設ページ
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☆デュオ公演、ソロ公演の配信チケットも絶賛発売中!

上原ひろみ ~デュオ~ with 熊谷和徳
2021 3.18 thu., 3.19 fri., 3.20 sat., 3.22 mon., 3.27 sat., 3.28 sun.
※生配信:3.22 mon. 2ndショウ (Start8:45pm)
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上原ひろみ ~ソロ~
2021 3.23 tue., 3.24 wed., 3.25 thu., 3.26 fri., 3.29 mon.
※生配信:3.26 fri. 2ndショウ (Start8:45pm)
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SET LIST

2020 3.18 THU.
1. Wanderer
2. Time And Space
3. The Times They Are a-Changin’
4. Kazunori Kumagai Solo
5. Children’s Song No.4 (Hiromi Solo)
6. The Moldau
EC. Smile

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