原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO

緊急事態宣言発令解除後の「ブルーノート東京」に、"聴く者を元気にするピアノ"が鳴り響いています。上原ひろみのロングラン公演"SAVE LIVE MUSIC RETURNS"が、昨日3月23日から、ついに第3のプログラム「～ソロ～」に突入しました。今後、本日、25日、26日、29日に「～ソロ～」が、27日と28日に「～デュオ～ with 熊谷和徳」が行なわれます。

昨年8月に行なわれた"SAVE LIVE MUSIC"は全日程ともソロによるステージで、まさに上原ひろみのピアノ美学とでもいうべきものが横溢したライヴ・シリーズでしたが、それでもセットリストから漏れてしまった、演奏されずに終わった曲は多々ありました。今回の「～ソロ～」は前回取り上げなかったレパートリーを中心に、スタンダード・ナンバー、バンド編成でレコーディングされていた楽曲のソロ・アレンジ等も織り交ぜながら、発見たっぷりのプログラムで楽しませてくれます。

左手によるベース・ラインが躍動感を運ぶタメの利いた楽曲、左手と右手が追っかけっこするかのように動き回る超アップ・テンポ、荘厳そのもののスロー・バラード等を通じて、上原ひろみはアコースティック・ピアノのさまざまな一面を伝えます。鍵盤の端から端まで、まさしく88鍵をフルに使って、ガッチリ弾くのです。ズシリと響く重低音とキラキラした超高音の対比はもちろん、時おり登場する滑らかなグリッサンドにも耳がひきつけられました。と同時に、MCで触れられることはありませんでしたが、先日逝去したチック・コリアへの感謝、敬意（チックと上原はブルーノート東京でデュオ・アルバムを収録しています）を強く感じたのはぼくだけではないはずです。28日の「～デュオ～ with 熊谷和徳」最終日、そして29日の「～ソロ～」最終日＆シリーズ千秋楽に向けて、"SAVE LIVE MUSIC RETURNS"はまだまだ最高を更新していくことでしょう。
(原田 2021 3.24)

Photo by Makoto Ebi

☆"SAVE LIVE MUSIC RETURNS"公演 特設ページ

☆配信チケットも絶賛発売中！

上原ひろみ ～ソロ～
2021 3.23 tue., 3.24 wed., 3.25 thu., 3.26 fri., 3.29 mon.
※生配信：3.26 fri. 2ndショウ (Start8:45pm)