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矢野顕子 featuring 小原礼・佐橋佳幸・林立夫 『音楽はおくりもの』リリース記念ライブ

artist 矢野顕子

REPORT

原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO


できたてのアルバムに収められている楽曲の数々を、その参加メンバーと同じ顔ぶれによるライブ・ステージで味わえる喜び。そんな極上かつ貴重な機会が、8月31日に訪れました。ブルーノート東京で1日限り開催された、矢野顕子『音楽はおくりもの』リリース記念ライブです。

ステージには向かって左から、矢野顕子、小原礼、林立夫、佐橋佳幸が位置します。誰もが個人プレイとサポート・プレイの双方に才能を発揮する、"ザ・マスター"と呼ぶにふさわしい凄腕です。この4人が共に楽曲をアレンジし、レコーディングし、完成させた一枚こそ『音楽はおくりもの』。矢野顕子にとっては記念すべきソロ・デビュー45周年を飾るオリジナル・アルバムであり、バンド編成のフル・アルバムとしては13年ぶりの発売にあたるとのことですが、確かに並外れた手ごたえを感じさせる力作です。

ニュー・アルバムからのナンバーがライブでまとめて演奏されるのは、この日が初めてでした。オープニングの「遠い星、光の旅。」からいきなり、4人のコンビネーションに深く深く引き込まれます。各メンバーが安定性抜群のタイヤと化して、"グルーヴ"という乗り心地抜群の自動車を動かしている感じです。ふくらみのある豊かな音でボトムを引き締める小原礼のベース、よく通る太いトーンでバンド全体を引っ張ってゆく林立夫のドラムス(ふたりは中学生時代からのバンド仲間だそうです)も見事なら、佐橋佳幸はエレクトリック・ギターやアコースティック・ギターや12弦ギターやラップ・スティールやウクレレ等を"ここにはこの音色しかない"という感じで使い分け、矢野顕子はお気に入りのベヒシュタイン・ピアノを自在に操りながら、新レパートリーの数々を歌いこんでゆきます。

小原と佐橋のバック・コーラスも見事な「わたしがうまれる」、ニューオリンズR&B風のビートから予想を超えた展開にもつれこむユーモラスな「なにそれ(NANISORE?)」、意表を突くタイトルと食欲をそそる歌詞の組み合わせが楽しい「魚肉ソーセージと人」など、4人の豊富なキャリアやテクニックが映える多種多彩なナンバーが続き、後半では定番「ごはんができたよ」も披露されました。オーラスは、新作収録曲から「津軽海峡・冬景色」。石川さゆりの国民的ヒット・ナンバーに、魅力的なリハーモナイズ(和声づけ)が施され、ジャズ・テイストたっぷりに生まれ変わります。途中に挿入されたピアノのアドリブにも耳がひきつけられました。

リリース記念ライブはこの日限りでしたが(見逃し配信は9月3日の午後11時59分まで)、矢野顕子は9月3日と4日に、今度はソロでブルーノート東京に再登場。さらに、このソロ公演の模様は、9月26日にストリーミング配信されることも決定しています。45周年イヤーを彩る会心のパフォーマンスをお見逃しなく!
(原田 2021 9.1)


Photo by Takuo Sato

☆『矢野顕子 "Solo Live"』のストリーミング配信が決定!
2021 9.26 sun. Start 7:30pm
※アーカイブ配信視聴期間:9.29 wed. 11:59pmまで
※9.4 sat.公演(2nd Show)の収録配信となります。
詳細はこちら


☆『矢野顕子 feat. 小原礼・佐橋佳幸・林立夫』公演は、9.3 fri.まで見逃し配信中!
※販売終了:9.3 fri. 10:00pm、配信期限:9.3 fri. 11:59pm
詳細はこちら


SET LIST

2021 8.31 TUE.
1st&2nd
1. 遠い星、光の旅。
2. わたしのバス(Version 2)
3. わたしがうまれる
4. なにそれ(NANISORE?)
5. 魚肉ソーセージと人
6. Nothing In Tow
7. 音楽はおくりもの
8. ごはんができたよ
EC. 津軽海峡・冬景色

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