- JUNKO ONISHI QUARTET "THE GRAND VOYAGE"
- STEVE GADD BAND 10th ANNIVERSARY TOUR featuring MICHAEL LANDAU, TRAVIS CARLTON, JEFF BABKO & WALT FOWLER
- BLUE NOTE TOKYO ALL-STAR JAZZ ORCHESTRA directed by ERIC MIYASHIRO with special guest STEVE GADD
- KUNPEI NAKABAYASHI ORCHESTRA LIVE at BLUE NOTE TOKYO
- H ZETTRIO / Special Live 2022 "Blue Note of 3"
2023 1.20 fri., 1.21 sat., 1.23 mon., 1.24 tue.
STEVE GADD BAND 10th ANNIVERSARY TOUR featuring MICHAEL LANDAU, TRAVIS CARLTON, JEFF BABKO & WALT FOWLER
artist STEVE GADD
原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO
美しく深い音色、タメの利いたビート、そこにいるだけでバンドに生まれる"華"。世界最高峰ドラマーは、ますます健在です。
スティーヴ・ガッド・バンドのブルーノート東京公演が、昨日から始まりました。この2023年は結成10周年、つまり今回の来日公演はアニバーサリー・ライヴでもあるのです。ガッドは先だって来日し、去る17日と18日に、ブルーノート東京オールスター・ジャズ・オーケストラ directed by エリック・ミヤシロ公演にスペシャル・ゲストとして加わったばかり。絶好調を維持したまま、自身のバンドによるパフォーマンスに臨んでいます。
共演メンバーはバンド立ち上げ時からの重要人物であるウォルト・ファウラー(フリューゲルホーン、トランペット)、マイケル・ランドウ(ギター)、さらにトラヴィス・カールトン(ベース)、ジェフ・バブコ(ピアノ、フェンダー・ローズ、トロンボーン)。"ガッドと並ぶスーパー・ドラマー、サイモン・フィリップスの盟友であるバブコがどんなふうにガッド・バンドに貢献するのか"、"ニューヨーク系のガッドと、ロサンゼルス系の他のメンバーがいかにアンサンブルをクリエイトしていくのか"などなど、期待をいっぱいにしても、なお余りある充実のひとときを届けてくれました。
オープニングは、ミュート・トランペットをフィーチャーしたランドウ作「Africa」。バンドの全員が音量を抑え、クールな響きを創出します。いきなりパワフルに盛り上げていくのではなく、ゆったりしたテンポのなか、各ミュージシャンの音色やフレージングの妙味を聴かせていく傾向なのでしょう。ガッドがMCで"Happy New Year!"とあいさつし、次に演奏されたのは「I Can't Turn You Loose」。60年代を駆け抜けたR&B歌手オーティス・レディングの代表曲であり、ガッドが80年代に率いていた"ガッド・ギャング"のレパートリーでもあったナンバーが、新たなリフ(短いフレーズ)を付け加えたアレンジで新装登場です。ガッド・ギャングのコーネル・デュプリーがこの曲を弾いていたときにはR&Bそのものという印象を受けたものですが、マイケルがプレイすると俄然、ブルース・ロック風味が増します。キメ細かなアーミング(個人的には先ほど他界したジェフ・ベックを想起するところもあります)によって放たれる音はまた、人の声のようでもあります。
新曲「Mercy on Your Soul」は、バブコの書き下ろし。ゴスペル調も取り入れた楽曲で、作者のピアノ・プレイにはガッド・ギャングの鍵盤奏者、リチャード・ティーへのトリビュート的な要素も見受けられました。ガッドは「Way Back Home」「Auckland by Numbers」と、連続して超絶的なブラッシュ・ワークを聴かせ(あの"4本ブラッシュ"も登場しました)、「Sly Boots」で、ついにドラム・ソロを披露。この日、ここまで、彼のバッキングのすごみを十二分に体験してきたとはいえ、やはりソロが聴けるのは嬉しいもの。演奏終了後、スタンディング・オベイションが起こったのはいうまでもありません。
"もう1曲聴きたいかい?" という呼びかけから始まったのは「Put It Where You Want It」。伝説的バンド、ザ・クルセイダーズの当たり曲であり、デヴィッド・T・ウォーカーやラリー・カールトン(トラヴィスの父)など歴代ギタリストが弾いてきたナンバーですが、これをランドウがアーミングを駆使しつつプレイするのも大きな聴きどころでした。
ますます意気盛んなスティーヴ・ガッド・バンド、結成10周年公演は24日まで続きます(22日はオフ、24日のセカンド・ショウは有料配信予定)。
(原田 2023 1.21)
Photo by Takuo Sato
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☆1.24 tue. 2ndショウでは生配信も!
STEVE GADD BAND 10th ANNIVERSARY TOUR
featuring MICHAEL LANDAU, TRAVIS CARLTON, JEFF BABKO & WALT FOWLER
【東京 南青山】 ブルーノート東京
2023 1.20 fri., 1.21 sat., 1.23 mon., 1.24 tue.
※配信チケット販売期間:1.24 tue. 9:30pmまで
※アーカイブ配信視聴期間:1.26 thu. 11:59pmまで
※アーカイブ配信の内容はライヴ配信と異なる場合がございます。予めご了承ください。
2023 1.20 fri.
1st | |
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1. | Africa |
2. | Can't Turn You Loose |
3. | The Long Way Home |
4. | Timpanogos |
5. | Mercy On Your Soul |
6. | Way Back Home |
7. | Auckland by Numbers |
8. | Sly Boots |
9. | Put It Where You Want It |
2nd | |
1. | Hidden Drive |
2. | Can't Turn You Loose |
3. | Doesn't She Know By Now |
4. | De Volta Ao Samba |
5. | Mercy On Your Soul |
6. | Oh Yeah! |
7. | Blues For... |
8. | Them Changes |
9. | Things Ain't What They Used To Be |